2024年7月29日

東京都で初記録 ロイコクロリジウムの幼虫を展示して1週間

 ロイコクロリジウム属吸虫の幼虫は、オカモノアラガイの触角内に寄生して活発に運動します。動くイモムシのように見せることで、鳥(終宿主)に見つけられやすくするという生態がよく知られ、同時にちょっとカワイイその姿が人気の寄生虫です。
 去る7月18日朝、「東京都でロイコクロリジウムが見つかったので寄生虫館で展示して欲しい」と、本属吸虫の研究でトップを行く研究仲間から連絡が入りました。発見したのは都内に住む中学生。彼のSNS上の記事を、研究者は見逃さなかった。当方は受入準備を整えて続報を待ちます。
 翌19日には、貝をご寄贈いただき、発見者とともに研究を進め、私(倉持)が直接お目にかかって貝をいただくことに。20日には待ち合わせ場所の位置確認、電車と路線バスの時刻表をチェック、展示の準備完了。21日朝、発見者と合流、保冷剤で冷やしながら寄生虫館に到着し、午後に展示を開始しました。
 こうして展示が始まり1週間がたちました。皆様のご来館をお待ちしております。【倉持】

ロイコクロリジウムQ&Aは、こちらのページからご覧ください。
https://www.kiseichu.org/leucochloridium

2024年7月3日

沖縄でヒトデの調査と実験




 6月20日から29日まで琉球大学の瀬底研究施設に滞在し、ヒトデ(とその寄生者)を材料とした生態学的な研究に関わる機会をいただきました。国内だけでなく海外からも、オタゴ大学(ニュージーランド)、シドニー大学(オーストラリア)、ロンドン自然史博物館(イギリス)の研究者が訪れ、多国籍なチームとなりました。今後各国にて、採取したサンプルの詳細な分析が行われます。結果が楽しみです。【高野】