2022年10月20日

超深海の生物相調査に参加



 9月30日から10月17日まで、白鳳丸KH-22-8次航海に参加しました。襟裳岬南東沖、千島海溝と日本海溝の境界付近の、水深2000~7500 mの海底にいる生物調査が目的でした。最近の定義では、水深6500 m以深を超深海と呼びます。生物の採取は、主に幅3 mの底引き網を用いて行います。深い場所では、一回の調査に7時間ほどかかりました。
 途中荒天で観測ができない日もありましたが、ナマコに内部寄生する巻貝3種を得ることができました。ほとんど記録のない、大変貴重な標本です。今後の研究が楽しみです。また、一番深い地点で、プラスチックごみが大量に得られたのも印象的でした。こういう場所にたまってしまうのかもしれません。これらも専門家に送られ、研究に生かされる予定です。【高野】



2022年10月16日

日本公衆衛生学会総会に参加しました

シンポジウム:「地方病」制圧の歴史と記憶

 去る10月7〜9日に、山梨県甲府市のYCC県民文化ホール・山梨県立図書館で開催された第81回日本公衆衛生学会総会(学会長:山縣然太朗山梨大学教授)に特別企画参加しました。この企画は山梨大学、感染症アーカイヴス・三菱財団、目黒寄生虫館の共同開催で、山梨県の地方病(日本住血吸虫症)制圧の歴史を振り返り、語り継ぐことをテーマに行われました。【倉持】

2022年10月10日

山口左仲博士の論文原図展示の入れ替え

 当館では、日本の寄生虫分類学の大家である山口左仲博士が残した論文や図版の原稿などの資料を多数保管し、一部を展示室で順次公開しています。
 この度、2階展示室の「山口左仲博士が論文に使った原図」の入れ替えを行い、10月7日から公開しました。今回は1935~1942年に描かれた、鳥類に寄生する吸虫と、哺乳類・爬虫類に寄生する条虫の原図を壁面パネルで展示しています。体長数mにもなる大型の条虫の図はやはり大判で、精巣・卵巣や卵黄腺などの生殖器官が丁寧に描写されています。
 中央アクリルケースでは、山口博士が86年前に新潟のマガンから採集した吸虫 ノトコチルス(Notocotylus parviovatus)のプレパラート標本を展示しました。この寄生虫の図版の原図や、報告された論文別刷りも合わせてご覧ください。【巖城】