2018年12月23日

ミニ解説会「寄生虫の名前の由来は?」開催

12月22日に、ミニ解説会「寄生虫の名前の由来は?」を1階展示室で行いました。和名と学名の一般的な解説をした後、ちょっと変わった名前をもつ寄生虫を取り上げて、その名前と由来を説明しました。例えば、ホタテの鰓の表面に寄生する「ホタテエラカザリ」、アメリカのオバマ前大統領にちなんで名づけられた「バラクトレマ・オバマイ(Baracktrema obamai)」などです。午前と午後合わせて、49名の方にお越しいただきました。

次回は来年1月の予定です。詳しくは、当館ウェブサイトでお知らせいたします。【脇】


2018年12月11日

広島大学名誉教授の長澤和也先生が来館

12月7日に、広島大学名誉教授の長澤和也先生が標本閲覧のため来館され、山口左仲博士コレクションの鉤頭虫類のプレパラートや、寄生性甲殻類の液浸標本の観察を行いました。山口博士の寄生性甲殻類の標本には未整理のものが多数あるため、今後は長澤先生のご協力により整理や登録が進むことが期待されます。 【巖城】

2018年12月9日

滋賀医科大学のPiers Vigers先生が来館


 12月1〜2日に、滋賀医科大学 分子神経科学研究センターのPiers Vigers先生が来館されました。Vigers先生には、館内展示パネルの英語表示や、英文ガイドブックの文章について、詳細に添削をしていただきました。 【巖城】

2018年12月8日

ミニ解説会「寄生虫の名前の由来は?」(12/22)のお知らせ

当館では、色々な寄生虫の標本を展示しています。標本瓶や説明パネルには寄生虫の名前が書かれていますが、それは日本語だったりアルファベットだったり様々です。その名前の意味、そして由来について、一緒に考えてみませんか?変わった名前の寄生虫の紹介もします。【脇】

日時:2018年12月22日(土)
   ① 10:30~  ②13:00~
場所:1階展示室
予約・参加費:不要
講師:脇 司(当館研究員)

2018年11月28日

ミニ解説会「寄生虫の性について」を開催しました

 11月24日に、ミニ解説会「寄生虫の性について」を1階展示室で行いました。雌雄異体の種は体に両性の構造をもたなくてよい一方、個体の密度が減少すると繁殖に不利になること、雄が極めて小さくなることで、限られたスペースや栄養を雌に優先的に振り分けている種がいることなどを紹介しました。午前・午後あわせて約50名の方々にお越しいただきました。
 次回は12月の予定です。当館ウェブサイトでお知らせいたします。【高野】


2018年11月14日

自然教育園 生物相調査


 11月6~7日に都内、白金の国立科学博物館附属自然教育園で、科博の倉持先生と共同で生物相調査を行いました。昨年同様、初日は魚類やネズミ類のトラップ(わな)を仕掛け、2日目は魚類、哺乳類(ネズミ類)、甲殻類(ザリガニなど)、陸貝類、昆虫類、ミミズなどを園内各所で採集しました。採集動物を実験室で解剖して寄生虫を検出します。現在、詳しい形態観察や遺伝子解析を行なっているところです。生物相調査の結果は来年、発表予定です。【巖城】

2018年11月8日

ミニ解説会「寄生虫の性について」開催(11/24)



寄生虫には、人間と同じように雌雄が分かれているもののほか、一個体が雌雄両方の生殖器官をもつ種類や、小さい時は雄で、成長するにしたがって雌になる種類もみられます。このような違いは、効率よく子孫を残すために重要と考えられています。今回は、代表的な寄生虫を挙げながら、それぞれの戦略について有利な点・不利な点を交え解説します。

日時: 2018年11月24日(土)①10:30〜 ②13:00〜 それぞれ10分程度(2回とも同じ内容)
場所: 1階展示室
予約・参加費: 不要
講師: 高野 剛史(当館研究員)

2018年10月28日

ミニ解説会「ジビエ(野生鳥獣肉)と寄生虫」を開催


 10月27日に、ミニ解説会「ジビエ(野生鳥獣肉)と寄生虫」を2階展示室で行いました。主に3種類の寄生虫(トキソプラズマ・肺吸虫・旋毛虫)についてお話しし、狩猟等で捕獲された野生鳥獣の肉は衛生状態の良し悪しが様々なので、必ず加熱して食べることをお勧めしました。午前は17名、午後は16名の方々にお越しいただきました。
 次回は11月の予定です。当館ウェブサイトでお知らせいたします。【巖城】

2018年10月25日

寄生虫学会東日本支部大会で発表


 10月20日に、第78回日本寄生虫学会東日本支部大会が自治医科大学(栃木県下野市)で開催され、当館の3名が次の演題で口頭発表を行いました。【巖城】

(発表順) 
・脇 司「ワスレナカタツムリダニの季節動態、分布および宿主」
・小川和夫「Neoheterobothrium 属単生類の分類学的再検討」
・巖城 隆「カワウ Phalacrocorax carbo に寄生していた Clinostomum complanatum

2018年10月12日

沖縄美ら海水族館の展示に協力

 沖縄美ら海水族館では10月6日(土)から10月31日(水)まで、『見逃すと大変! 寄生虫についてパネル・標本で紹介』という展示が行われています。水族館での寄生虫の駆除や治療で多くみられる寄生虫病についてパネルで詳しく紹介されています。
 当館は、山口左仲博士が残した寄生虫図版の提供で協力しています。【巖城】

沖縄美ら海水族館
『見逃すと大変!寄生虫についてパネル・標本で紹介』
https://churaumi.okinawa/topics/1539232517/

2018年10月11日

ミニ解説会「ジビエ(野生鳥獣肉)と寄生虫」(10/27)のお知らせ


 食欲の秋です。最近、シカやイノシシなど野生鳥獣の肉を使った「ジビエ料理」がよく話題になりますが、一方でジビエによる食中毒や病原体感染の噂もあります。今回は、ジビエで問題になると思われる寄生虫をいくつか取り上げてお話しします。

日時: 10月27日(土)①10:30〜 ②13:00〜 それぞれ10分程度(2回とも同じ内容)
場所: 2階展示室
予約・参加費: 不要
講師: 巖城 隆(当館研究員)

2018年10月7日

写真展「沼田仁吉と目黒寄生虫館-数奇な運命を辿った蝋模型師」開催(10/4~2019/5/25)


 10月4日から、当館が所蔵する寄生虫の蝋模型をモチーフとした写真展が開催されています。製作者の沼田仁吉の生涯に、『日本のムラージュ-近代医学と模型技術 皮膚病・キノコ・寄生虫』(*)の中で、著者の石原あえか氏が初めて光を当てました。この書籍で撮影に携わった写真家・大西成明氏の作品を、ぜひ間近でご覧ください。

日時: 2018年10月4日(木)~3月下旬
場所: 1階 特別展示スペース

*)『日本のムラージュ-近代医学と模型技術 皮膚病・キノコ・寄生虫』
https://www.seikyusha.co.jp/bd/isbn/9784787234308/

2018年10月6日

しものせき水族館のサイエンスカフェ「ヒトの寄生虫のお話-正しく恐れる」で講演

現在、しものせき水族館で行われている企画展示「寄生して生きて行く虫の話」(目黒寄生虫館と国立科学博物館の協力;10月28日まで)に合わせて、9月29日(土)、同水族館でサイエンスカフェが開かれ、「ヒトの寄生虫のお話-正しく恐れる」という題目でアニサキスなどの人体寄生虫の話をしてきました。参加者は小学生から年配の方まで50名ほどでした。ヒトの寄生虫の話の前に、ご当地にちなんで、山口県萩出身の寄生虫学者五島清太郎がフタゴムシを新種報告したことも紹介しました。【小川】

サイエンスカフェの様子

「寄生して生きて行く虫の話」ではゲームも取り入れて楽しい企画になっていました。

2018年10月3日

ミニ解説会「藤浪 鑑展:資料で見る100年前の日本住血吸虫病研究」開催

9月23日に、ミニ解説会「藤浪 鑑展:資料で見る100年前の日本住血吸虫病研究」を開催しました。この会では、日本住血吸虫の日本からの撲滅について、藤浪鑑博士の行った実験を交えながら解説しました。午前・午後合わせて約50名の皆様にお集まりいただきました。

また、今回の解説会に、京都大学名誉教授の日合弘先生がお見えになりました。日合先生には、藤浪 鑑展にたくさんのご協力をいただいております。

次回は10月の予定です。日時・内容は当館ウェブサイトでお知らせいたします。【脇】

2018年9月23日

京都大学 大学院生の佐田さんが来館


 9月15〜16日に、京都大学大学院 理学研究科の大学院生、佐田 直也さんが標本閲覧のため来館し、カエルの線虫のタイプ標本(模式標本)を観察しました。この線虫はオタマジャクシの時期にだけ寄生するちょっと変わった寄生虫で、佐田さんは自身の採集した線虫と、山口博士の採集した標本を比較する予定です。研究成果の発表が楽しみです。 【巖城】

2018年9月22日

ニューカレドニアでの生物多様性調査に参加しています


9月4日より、ニューカレドニアのクマックで行われている生物多様性調査(Koumac 2018 Expedition)に参加しています。この調査はパリ国立自然史博物館が主体となり実施しているプロジェクト「Our Planet Reviewed」の一環で、世界各国から貝類や甲殻類の専門家約40名が集まっています。私(高野)は寄生性の種類を中心とした貝類の採集を担当しています。

少し前になりますが、本プロジェクトのブログに、研究対象である寄生性巻貝の紹介文が掲載されました。

http://nouvellecaledonie.laplaneterevisitee.org/fr/carnet-bord/carnet-bord-koumac-2018/mollusques-parasites

写真が多数ありますので、ぜひご覧ください。

調査は10月1日まで続き、2日に帰国予定です。【高野】

2018年9月17日

長崎大学 大学院生の塩﨑さんが来館


 9月5〜8日に、長崎大学大学院 水産・環境科学総合研究科の大学院生、塩﨑 彬さんが標本閲覧のため来館し、山口左仲博士コレクションのうち、クジラ・イルカ類の吸虫標本の観察を行いました。塩﨑さんが現在研究中の新種の吸虫の同定や、吸虫類の新しい分類のためには、タイプ標本(模式標本)の観察が必須となります。当館所蔵の標本が活用された研究の発表を心待ちにしています。 【巖城】

2018年9月12日

島根県で魚類寄生虫の講演会

9月7日(金)に島根県浜田市、8日(土)に島根県松江市で、漁業関係者の方々を対象に魚の寄生虫に関する学習会があり、アニサキスなど、人に寄生する可能性のある寄生虫と目について商品価値を落とす寄生虫(異物としての寄生虫)を中心に話をしてきました。魚を提供する側にとっては生食によるアニサキス食中毒は深刻な問題です。研究者やマスメディアが消費者に正しい情報を提供していくことが重要と感じました。【館長】


2018年9月8日

ミニ解説会「藤浪 鑑展:資料で見る100年前の日本住血吸虫病研究」開催(9/23)


 現在、特別展示「藤浪 鑑展」を開催中です。かつては原因不明とされた日本住血吸虫病。この病気は、藤浪博士の行った実験を通じて感染経路が証明されました。今回は、特別展示を小川館長がさらに掘り下げて解説します。

日時:2018年9月23日(日・祝)①10:30~ ②13:00~ 各回約10分(同じ内容です)
場所:1階展示室
予約・参加費:不要
講師:小川和夫(当館館長)

2018年8月31日

韓国大邱(テグ)の世界寄生虫会議で発表しました


 8月19日から24日に大邱で行われた第14回世界寄生虫会議で、クロマグロに寄生する住血吸虫カルジコラ オリエンタリスの中間宿主内の発育について発表しました。この寄生虫は中間宿主であるフタエラフサゴカイ(多毛類に属す環形動物の一種)の体腔内で増殖して、大量のスポロシスト幼生になります(写真右はスポロシストで充満したゴカイの断面像)。スポロシストの内部はマグロへの感染ステージであるセルカリアで充満しています。寄生虫に栄養を奪われたゴカイは成熟できなくなります(寄生去勢といいます)。
 日本の養殖クロマグロには心臓やエラの血管に寄生する住血吸虫が3種知られています。どの種も虫卵がマグロのエラの毛細血管を詰まらせ、マグロを殺すこともある有害寄生虫です。現在、近畿大学と共同で被害軽減のための対策研究をしています。 【小川】

2018年8月30日

茨城での陸貝採集

8月21日に陸貝採集のため茨城まで行ってきました。寄生虫の実験に使うナミコギセルを採集するのが主な目的です。ナミコギセルはゴミ・野菜捨て場に大量にいたので、充分すぎるほどの数を確保できました。この陸貝は植物質のものを食べるので、捨てられた野菜を食べて増えたのかもしれません。今回の実験結果の一部を今年の学会で発表するのが、現在の私の目標です。【脇】

2018年8月27日

日本海裂頭条虫の標本・パネルの学名表示を変更しました


 日本海裂頭条虫(Diphyllobothrium nihonkaiense)は「人体に寄生するサナダムシの一種」として有名ですが、昨年(2017年)、学名を Dibothriocephalus nihonkaiensis に変えるべきという研究成果が発表されました。寄生虫の学名はどこかの機関が決めるものではなく、研究者の間で分類が正しいと信じられれば徐々に定着するものですが、今回はこの条虫の研究分野ではトップと言える研究グループの発表なので、今後はこの学名が広まると考えられます。
 そのため8月12日に、館内数か所にある日本海裂頭条虫の標本やパネルの学名表示を変更しました。さらに最近の知見を反映して、この条虫の生活環の図と説明を一部修正しています。 【巖城】

2018年8月23日

栃木での陸貝寄生虫調査

9日から10日にかけて、栃木で陸貝を採集してきました。予想通り、関東で普通な陸貝であるヒカリギセルやヒダリマキマイマイが採れました。丸太をひっくり返した裏に陸貝が付いていましたが、生息密度は低めでした。北関東では陸貝の個体数密度が低い印象があり、南関東に比べて採るのが難しい気がしています。
採集してきた陸貝とその寄生虫データは、今後の学会や学術誌で公開していく予定です。【脇】

2018年8月8日

白陵高校の神尾祐輔先生と生物部の生徒4名、神戸大理学部の新田理人さんが来館


 8月2日・3日に、兵庫県の白陵高校の神尾祐輔先生と生物部の生徒4名、神戸大理学部の新田理人さんが来館しました。メバルに寄生する単生類を研究している生徒さんは、山口左仲博士が60年以上前に新種記載した標本を観察し、熱心にメモを取ったり写真撮影したりしていました。一方、淡水魚・巻貝の寄生吸虫の生活環解明がテーマの生徒さん達は、研究員とディスカッションしながら、所蔵資料を楽しそうに調べていました。その合間を縫って、新田さんも山口標本コレクションの単生類標本を精力的に鏡検していました。
 翌日は、訪れた東京大学博物館でさらに素晴らしい発見があったそうですが、それについては生物部のfacebookをご覧ください。 【巖城】

白陵生物部
https://ja-jp.facebook.com/HakuryoBiology

2018年8月5日

ミニ解説会「緊急開催:カタツムリの寄生虫-生きたロイコクロリジウム」を開催しました

8月4日に、カタツムリの寄生虫ロイコクロリジウムのミニ解説会を開催しました。この会では、ロイコクロリジウムの種類や虫体の中身などについての解説の後、オカモノアラガイの触角の中で活発に動いている幼虫を実際に見ていただきました。午前・午後合わせて約130名の皆様にお集まりいただきました。
次回は9月の予定です。日時・内容は当館ウェブサイトでお知らせいたします。
なお、現在、私を含めた研究グループはロイコクロリジウムを探しています。野外で目撃された方はお知らせいただけますと幸いです。【脇】

2018年8月2日

弘前大学の小林一也先生・関井清乃さんと、旭川医科大学の佐々木瑞希先生が来館

7月29日に、弘前大学農学生命科学部の小林一也先生と関井清乃さんが研究打合せのため来館され、研究テーマの「プラナリアの生殖戦略」についてレクチャーをしていただきました。たまたま、小林先生たちとも共同研究されている旭川医科大学寄生虫学講座の佐々木瑞希先生と学生さん1名も来館され、一緒にレクチャーを聴講しました。
 小林先生・関井先生の研究については、下記の本で読むことが出来ます。

 『プラナリアたちの巧みな生殖戦略』
 https://www.shokabo.co.jp/mybooks/ISBN978-4-7853-5125-0.htm
 
 また、佐々木先生と当館の脇研究員の共同研究については下記の記事をご覧ください。

 『旭川市に生息するカタツムリから新種の吸虫を発見! – 身近な環境に隠された生物多様性』
 https://academist-cf.com/journal/?p=7791

 佐々木先生にお持ちいただいたロイコクロリジウム(吸虫類の一種)の幼虫は、今週8月4日のミニ解説会で、脇研究員が来館者の皆さんにお見せする予定です。 【巖城】

2018年8月1日

イギリス ケンブリッジ大学の学生Aurélien Guéroultさんが来館


 7月25〜29日に、イギリスのケンブリッジ大学(the University of Cambridge)医学部5年生のAurélien Guéroultさん(通称Rayさん)が、寄生虫学研修のため来館しました。当館ではカツオから寄生虫を採集し、アニサキス幼虫の計測と顕微鏡写真の撮影や、テンタクラリア幼虫の標本作製や描画装置を使ってのスケッチなどを実地に体験しました。 【巖城】

2018年7月29日

緊急開催:ミニ解説会「カタツムリの寄生虫-生きたロイコクロリジウム」

ロイコクロリジウムという寄生虫は、カタツムリに寄生して、その触角をイモムシそっくりに変えてしまいます。その衝撃的な見た目から、ネットやTVでよく取り上げられる寄生虫のひとつです。今回、生きたロイコクロリジウムが手に入りましたので、実物を観察しながらこの寄生虫を解説します。

日時:2018年8月4日(土)

   ① 10:30~  ②13:00~
場所:1階展示室

予約・参加費:不要
講師:脇 司(当館研究員)

2018年7月26日

ミニ解説会「寄生虫の多様性:意外と多い寄生の起源」を開催しました

7月21日にミニ解説会「寄生虫の多様性:意外と多い寄生の起源」を1階展示室で開催しました。寄生の起源は動物に200以上あること、昆虫やエビ・カニを含む節足動物で特に多いことなどをお話ししました。午前・午後合わせて約60名の皆様にお集まりいただきました。
次回は8月の予定です。日時・内容は当館ウェブサイトでお知らせいたします。【高野】


2018年7月22日

常設展示「顧みられない熱帯病を知っていますか?」開始のお知らせ

7月25日から、2Fで常設展示「顧みられない熱帯病を知っていますか?」を開始します。

熱帯地域の発展途上国では、多くの病気が十分な対策もなく放置されてきましたが、その多くは寄生虫病です。それら「顧みられない熱帯病」の対策に世界保健機関(WHO)や各国政府が取り組んでいます。この常設展示では、その中から“リンパ系フィラリア症”をトピックに、世界の産官民学の連携による寄生虫病の撲滅活動について紹介・解説します。【脇】



2018年7月20日

群馬での陸貝寄生虫調査

12日から14日にかけて、群馬県みなかみ町でツムガタモドキギセルなどの陸貝を採集してきました。採集された陸貝は、研究室に輸送後、寄生虫調査の目的で解剖されます。【脇】

2018年7月8日

しものせき水族館 海響館 特別企画展「寄生して生きていく虫の話 ~あなたのそばにいるかもね~」を共催


 下関市立しものせき水族館 海響館では、7月7日から特別企画展『寄生して生きていく虫の話 ~あなたのそばにいるかもね~』が開催されています(10月28日まで)。この企画展は目黒寄生虫館×国立科学博物館×海響館の共催で、当館からはフタゴムシの標本や映像その他を提供しています。

 展示内容やアクセスなど、詳しくは海響館のサイトをご覧ください。
 http://www.kaikyokan.com/

2018年7月5日

ミニ解説会「寄生虫の多様性:意外と多い寄生の起源」開催(7/21)

私たちの周りにはたくさんの寄生虫がいて、大きさや形、宿主や付着する部位も様々です。寄生という生活様式は、動物の進化の歴史のなかで何度も生じたと考えられていますが、その起源はいったいいくつあるのでしょうか?今回は、最新の知見も交え寄生虫の多様性についてお話しします。

日時: 2018年7月21日(土)①10:30〜 ②13:00〜 それぞれ10分程度(2回とも同じ内容)
場所: 1階展示室
予約・参加費: 不要
講師: 高野 剛史(研究員)

2018年6月27日

沖縄本島で調査

 6月12日から18日まで、沖縄本島の潮間帯・潮下帯で棘皮動物に寄生する巻貝類の調査を行いました。一枚目の写真はオオツマミガイというハナゴウナ科の一種で、宿主であるナマコの体液を吸って生活しています。
 ナマコには、貝だけでなく様々なグループの動物が寄生します。二枚目の写真はナマコウロコムシというゴカイの仲間です。ナマコの体表に付着し、その表皮を摂食することが知られています。【高野】


2018年6月24日

高知県での陸貝採集

6月8日~11日にかけて、高知県にて、陸貝寄生虫を調べるための採集調査をしてきました。関東には分布していないコンボウギセルなどの陸貝が採集できました。
採集した陸貝は研究室内で解剖されます。内部に寄生虫がいた場合には標本化されます。【脇】

2018年6月22日

当館ウェブサイトで「はらのむし通信」バックナンバーを公開しました



 6月21日から、定期刊行物「むしはむしでも はらのむし通信」のバックナンバーのうち、第180号(2000年)から第190号(2010年)をPDFファイルとして公開いたしました。下記のアーカイブのページから閲覧およびダウンロードができます。今後も順次、バックナンバーを公開する予定です。
 それ以前に当館の近況をお伝えしてきた「目黒寄生虫館月報」「目黒寄生虫館ニュース」も閲覧・ダウンロードできます。

https://kiseichu-archives.blogspot.com/p/blog-page_98.html

 ミュージアムショップでは現在、第194号(2014年)以降を販売中です。遠方のかたにはDM便でお送りすることもできますので、こちらもよろしくお願いいたします。

https://www.kiseichu.org/publication

【巖城】

2018年6月17日

ミニ解説会『フタゴムシの不思議』を開催しました


 6月16日にミニ解説会「フタゴムシの不思議」を1階展示室で開催しました。小川館長が、フタゴムシの仲間は世界に50種近くいて、それぞれ違う種類の淡水魚に寄生すること、2匹のフタゴムシが体をひねって、腹側の吸盤と背中側の突起を合わせて互いに融合し、消化管や神経までつながってしまうことなどをお話ししました。午前・午後合わせて約40名の皆様にお集まりいただきました。
 次回は7月の予定です。日時・内容は当館ウェブサイトでお知らせいたします。【巖城】

2018年6月16日

山口左仲博士の論文原図展示を入れ替え


 6月15日に2階展示室の「山口左仲博士が論文に使った原図」展示の入れ替えを行いました。今回は鳥類に寄生する吸虫類と、魚類に寄生する寄生性甲殻類の原図を公開しています。
 吸虫類の原図は、鳥類の消化管に寄生する棘口吸虫類を中心に選びました。この仲間は、頭部に短い棘の並ぶ襟(collar)があるのが特徴です。甲殻類では、スケトウダラのえらに寄生し、細長い首を心臓まで伸ばして宿主から吸血するヘモバフェス(Haemobaphes diceraus*)の図もあります。
 中央のアクリルケースには、ハシボソガラスに寄生する吸虫 オズワルドイア(Oswaldoia corvi)のプレパラート標本を展示しています。この吸虫の原図と合わせてご覧ください。
 日本の寄生虫分類学を切り開いた山口博士の並外れた研究への熱意と、それを支えた腕の良い画工たちの技を感じていただければ幸いです。【巖城】

*) 展示では「Haemobaphes theragrae」と表記しましたが、これは山口博士の当時の論文記載に合わせています。

2018年6月4日

ミニ解説会「フタゴムシの不思議」開催(6/16)


 次回の解説会は、2匹の寄生虫が出会うと合体することで有名なフタゴムシです。初代館長 亀谷 了が長年研究していたことで知られています。とても変わった寄生虫ですが、実はフタゴムシの仲間は世界に50種近くもいるのです。今回は、不思議な寄生虫、フタゴムシについてお話しします。

日時: 2018年6月16日(土)①10:30〜 ②13:00〜 それぞれ10分程度(2回とも同じ内容)
場所: 1階展示室
予約・参加費: 不要
講師: 小川 和夫(館長)

2018年6月3日

日本貝類学会大会で発表

5月25日に東京大学総合研究博物館において日本貝類学会若手の会が開催され,当館研究員の高野(私)が世話人として運営に携わり,研究員の脇がカタツムリの寄生虫研究を紹介しました。また全国の若手研究者と情報交換を行いました。
5月26日・27日には東京海洋大学品川キャンパスにおいて日本貝類学会創立90周年記念大会が開催され,上記研究員2名がそれぞれ次の演題で口頭発表とポスター発表を行いました。【高野】

・脇 司「ナンバンマイマイ科貝類を中間宿主とする吸虫Brachylaima属の1種について」(口演)
・高野 剛史「センマイドオシ科貝類の形態,繁殖様式および系統的位置」(ポスター)


2018年5月20日

ミニ解説会『寄生虫の卵のはなし』を開催しました


 5月19日に、ミニ解説会「寄生虫の卵のはなし」を2階展示室の蝋模型標本展示の前で行いました。寄生虫卵には様々な形や大きさがあること、それらが検査に役立つこと、低温や消毒薬には強いが、直射日光や高温には弱いこと、数千年~数百年前の遺跡で見つかる寄生虫卵から当時の暮らしがわかることなどをお話ししました。午前は約30名、午後は約20名の皆様にお越しいただきました。
 次回は6月の予定です。当館ウェブサイトでお知らせいたします。【巖城】

2018年5月5日

ミニ解説会「寄生虫の卵のはなし」(5/19)のお知らせ


 3月に寄生虫の蝋模型標本の展示が新しくなりました。この中には、色々な寄生虫の卵の模型があります。今回は、寄生虫の卵の様々な形や、あまり知られていない性質についてお話しします。

日時: 2018年5月19日(土)①10:30〜 ②13:00〜 それぞれ10分程度(2回とも同じ内容)
場所: 2階展示室
予約・参加費: 不要
講師: 巖城 隆(当館研究員)

2018年5月4日

特別展「藤浪 鑑展: 資料で見る100年前の日本住血吸虫病研究」を開催(5/3~9/30)


 明治期に日本住血吸虫病に取り組んだ病理学者 藤浪鑑は、この寄生虫を人体から初めて発見し、ある実験を通じて感染経路の証明にいたりました。5月3日から始まった本特別展では、京都大学に残されていた膨大な資料の中から、約100年前に藤浪博士が行った研究を紹介します。特別展の展示資料は撮影不可ですが、一部の資料(複製)は手に取って見ることができます。 【巖城】

https://www.kiseichu.org/event