2023年12月22日

西表島で調査を行いました


  12月12日から15日にかけて、沖縄県西表島で野外調査を行いました。西表島といえばマングローブが有名ですが、周辺の干潟にはヒトデやカニなどの生物がたくさん生息しており、それらに寄生・共生する貝類がみられます。写真の巻貝はカスリモミジヒトデヤドリニナ、二枚貝はオサガニヤドリガイです。同じ沖縄県でも、よく調査で訪れる沖縄本島とは生物相が異なり、興味深いサンプルを得ることができました。【高野】


2023年11月25日

白陵高校(兵庫県)の神尾祐輔先生と生物部の生徒さん3名が来館

 11月23日に、兵庫県の白陵高校の神尾祐輔先生と生物部の生徒さん3名が標本観察のために来館し、当館所蔵の単生類の標本の写真撮影や計測を行いました。神尾先生が論文投稿のため、当館に登録される標本も持参されました。その後、展示室を観覧され、ミュージアムグッズも色々購入してくださいました。若い人たちが寄生虫やその宿主の研究を通じて、自然や生物に興味を持ってくれるのは嬉しいことです。【巖城】

2023年11月19日

韓国のシモーナ・ゲオルギエヴァ博士が来館されました

 11月9日から11日まで、韓国の忠北国立大学(Chungbuk National University)医学部のシモーナ・ゲオルギエヴァ博士(Dr. Simona Georgieva)が標本観察のため来館されました。現在、ゲオルギエヴァ博士はブルガリアの研究所から研究員として忠北国立大学に在籍しています。当館では、山口左仲博士や尾崎佳正博士などの標本コレクションから吸虫類の標本約70枚を観察しました。
 11日はたまたま、近くの大鳥神社の「酉の市」の開催日で、来館途中に酉の市に興味津々だったゲオルギエヴァ博士は、倉持館長から「家内安全・商売繁盛」の熊手をプレゼントされて大変喜んでいました。【巖城】

2023年11月11日

JICA研修コースのモンゴル国獣医師の皆さんが来館されました

 11月8日に、国際協力機構(JICA)の研修コースに参加中のモンゴル国の獣医師ほか7名が来館されました。研修は獣医学教材開発に関する内容で、当館では、展示を通じて来館者に興味を引き付ける工夫などについてお話しし、展示室を見学していただきました。Windowsコンピュータとパワーポイントで構成され、更新が容易なタッチパネル展示や、約70年前に作製された寄生虫蝋模型とその3D画像(※公式サイトで公開中)が関心を集めたようです。立体サナダムシTシャツも人気で、購入後早速着用してくださっていました(写真2枚目)。【巖城】


※仁吉3D
https://www.kiseichu.org/jinkichi3d

2023年10月27日

しょうけい館 戦傷病者史料館がリニューアルオープンしました

 しょうけい館は、戦傷病者とそのご家族の労苦を語り継ぐために、平成18(2006)年に設置された国立の史料館です。そのしょうけい館が千代田区九段北に移転し、髙根和子館長のもと10月25日にリニューアルオープンしました。目黒寄生虫館は、感染症関連の解説で僅かながらお手伝いさせていただき、セレモニーにも私、倉持が参列させていただきました。 【倉持】

しょうけい館 戦傷病者史料館ご利用案内
 
入館料:無料
開館時間:午前10時〜午後5時30分(入館は午後5時まで)
休館日:毎週月曜日(月曜日が祝日または振替休日の場合はその翌日)
    年末年始(12月28日〜1月4日)
所在地:〒102-0073
    東京都千代田区九段北1-11-5 グリーンオーク九段2階
    Tel:03(3234)7821 Fax:03(3234)7826
Url:www.shokeikan.go.jp

2023年10月7日

白鳳丸KH-23-5次航海に参加


 9月12日から10月2日まで、海洋研究開発機構の学術研究船白鳳丸による日本海溝・千島海溝の深海~超深海底(水深3400~8000 m)の生物調査に参加しました。幅4 mの底引き網による生物採捕のほか、マルチプルコアラ―という測器を用いた採泥などを行いました。
 ナマコ類をはじめ、普段目にすることのない生物が多数得られ、同乗者のご厚意によりかなりの数を解剖させていただきました。魚類寄生虫や私が専門とする寄生性の巻貝などは、船上で標本としました。今後の観察と研究が楽しみです。【高野】

2023年9月30日

千葉県でのカエル調査

 去る9月22日、千葉県へカエルの採集に出かけました。この日は今にも降りだしそうな曇天でした。水田や山道などを調査しましたが、稲刈りが終了して水田の水が抜かれたためか、カエルは非常に少なく、ムカシツチガエルが1匹採れただけでした。ムカシツチガエルとは、関東~東北太平洋側のツチガエル集団が、最近になって新種として記載されたものです。ツチガエルよりも古い時代から日本にいたと考えられています。カエル以外では、草むらでヤマビルを1匹だけ捕まえました。後日、カエルの寄生虫を調べたところ、線虫が1種だけ得られました。次回調査は、来年の春になります。【佐田】


2023年9月17日

山口大学の戸倉愛美さんと工藤彩夏さんが来館されました

 9月15日、山口大学 共同獣医学部の学生の戸倉愛美さんと工藤彩夏さんが、当館所蔵標本閲覧のため来館されました。お2人はコウモリの寄生虫を研究されています。他の研究者の標本をなかなか見る機会がないということで、山口左仲博士・木船悌嗣博士・久木義一博士など先人の残したプレパラート標本について熱心に観察や撮影を行なっていました。忙しい中、観察の合間に展示室の観覧やショップでの買物もしていただきました。【巖城】

2023年9月16日

山口左仲博士の論文原図展示を更新しました

 9月10日、2階展示室の「山口左仲博士が論文に使った原図」の更新を行いました。今回は1936~1938年に描かれた、魚類に寄生する吸虫の原図を壁面パネルで展示しています。中央のアクリルケースには、山口博士が91年前に長野のヒガイから採集した吸虫 フィロピンナ(Philopinna higai)の実物のプレパラート標本を展示しました。この寄生虫の図版の原図や、掲載された論文の別刷も合わせてご覧ください。
 ちょうど博物館実習の実施中でしたので、展示する原図の選択と展示パネルへの貼り付け、説明パネルやタッチパネル用画像ファイルの作成、展示パネルの設置など、一連の作業を実習生が分担して行いました。皆さんお疲れさまでした。【巖城】

2023年9月15日

アラブ首長国連邦のロルフ・シャスター博士が来館されました

 9月8日、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイにあるセントラル・ベテリナリ―・リサーチ・ラボラトリー(CVRL)のロルフ・シャスター博士(Dr. Rolf K. Schuster)がご家族と来館されました。11年振りのご訪問です。シャスター博士はドバイで現地の様々な動物の診療に携わっており、当館にもハヤブサやフラミンゴなどの寄生虫が寄贈・登録されています。今回もヒトコブラクダやサバクフサエリショウノガン(鳥類)など、UAEならではの動物から採集された20種以上の寄生虫をご寄贈くださいました。貴重な標本として大切に保管に努めます。【巖城】

2023年9月10日

日本ベントス学会・日本プランクトン学会合同大会で発表

 9/1~3に北海道大学水産学部(函館)で開催された、日本ベントス学会・日本プランクトン学会合同大会に参加しました。私(高野)は「内部寄生性腹足類における殻形成コストの縮減」という題で、寄生貝の殻をX線マイクロCT撮影して得られた成果を発表しました。
 学生による発表が50題以上あり、皆活発に良い研究をされていてとても刺激になりました。写真は私が以前所属していた研究室の学生による発表で、学生優秀発表賞に選ばれました。おめでとうございます。【高野】

2023年9月9日

法政大学の島野智之先生が来館されました

 9月6日、法政大学 自然科学センター/国際文化学部 教授の島野智之先生と学生さん5名が自然史の授業の一環で来館されました。島野先生はダニ学、土壌動物学、原生生物学がご専門で、当館ショップでも島野先生の書かれたダニ類の本を扱っています。展示室に加えて地下の標本庫・書庫をご案内し、様々な寄生虫が居ることと共に、標本・資料の収集や整理の大切さについても感じていただけたことと思います。【巖城】

2023年9月8日

国立研究開発法人 水産研究・教育機構(三重県)の新田理人博士が来館されました

 9月1日・2日に、国立研究開発法人 水産研究・教育機構(三重県)の新田理人博士が魚類の寄生虫標本の観察のため4年振りに来館され、山口左仲博士や尾崎佳正博士の標本コレクションなどからプレパラート標本100枚近くを精力的に観察されました。ちょうど当館では博物館実習を実施中で、実習生には閲覧標本の検索や返却を手伝っていただき、所蔵標本が活用される現場を見てもらう良い機会になりました。【巖城】

2023年8月16日

「こども霞が関見学デー」に参加しました

 霞が関に所在する各府省庁等が連携し、夏休み中の子供達を対象に行われるのがこの「こども霞が関見学デー」。今年は去る8月2・3日、文部科学省をはじめ28の府省庁等が参加して、日々の活動を展示やワークショップを通して披露しました。2日間で3,000人以上(保護者を含む)が来場されたそうです。
 当館は、文化庁が主催する「夏休みミュージアム体験!発見と創造のとびらを開こう」に、個性派ぞろいの10の博物館・美術館等の団体とともに参加しました。ヒトの寄生虫の展示と、マサバを解剖してアニサキス検査のデモンストレーションを実施し、生きたアニサキスが動く様子などを見ていただき来場者は大興奮。参加各団体とも貴重な交流をしました。実習生も参加して、普及・啓発活動の現場を体験をしました。【倉持】

2023年7月24日

「目黒駅前100人カイギ」にゲスト出演しました

 「目黒駅半径500m圏内」でゆるやかなコミュニティーづくりを目指すプロジェクト、「目黒駅前100人カイギ」。去る7月20日、同カイギのVol. 19.5に区議会議員、サッカー少年、雑誌やウェブメディアの編集者といった多様なゲストさんたちと共に出演しました。この年齢や職種を問わないゲストの顔ぶれが、このプロジェクトの売りのようです。ゲストによる思い思いのプレゼンテーションのあとはネットワーキング。つまりおしゃべりタイムで交流しました。私は、これまでの研究や創立70周年を迎えた当館についてご紹介し、地域における連携、いろいろな個人や組織との協働を呼びかけ、楽しいひとときを過ごしました。【倉持】

2023年7月21日

目黒寄生虫館創設70周年記念特別展「亀谷 了と亀谷俊也が遺したもの・こと」開催のおしらせ(7/12〜)



 目黒寄生虫館は2023年で創立70周年を迎えました。今回の特別展では、創立者で初代館長の亀谷 了(かめがいさとる)と、了の次男で第2代館長の亀谷俊也(かめがいしゅんや)の研究業績や生涯についてご紹介しました。了のライフワークとして知られ、当館のロゴにもなっているフタゴムシの研究と、シーラカンスの単生虫発見物語。俊也のハワイへの修行の旅、新種の数々。さらに、了・俊也の芸術家としての一面もうかがい知ることができます。加えて、サプライズな展示物もご用意しました。ぜひご覧ください。

期間:2023年7月12日〜12月24日
場所:1階特別展スペース・情報コーナー

協力:(株)よみうりランド、市立しものせき水族館「海響館」、神奈川県立生命の星・地球博物館、(独)国立科学博物館

2023年7月9日

小林先生(弘前大)と関井先生(慶応大)が来館されました

  7月7日、弘前大学 教授の小林一也先生と慶應義塾大学 助教の関井清乃先生が来館され、ギンザメに寄生する条虫ギロコチレの調査を実施しました。今後、ギロコチレがプラナリアの有性化因子をもつかどうかを検討予定です。
 関井先生は5月にも来館しギロコチレをサンプリングしましたが、確実な実験には条虫4 gが必要とのことで、少々足りませんでした。今回再チャレンジとなり、十分なサンプルを得ることができました。4 gは軽そうに思えますが、寄生虫が対象だとなかなか大変です。【高野】


2023年7月2日

千葉県でカエルの寄生虫を調査

 


 去る620日、千葉県へカエルの採集に出かけました。天候は曇りで、気温もあまり高くなく動きやすい一日でした。調査では主に、水田や休耕田の周辺、道路わきの側溝、山道などを隈なく探索しましたが、カエルはおろか他の生き物も少なく、苦戦しました。結局、ニホンアカガエルが2個体採れたのみでしたが、寄生虫については、線虫が2種得られました。今後も、地道に調査を続けて、カエルを宿主とする寄生虫の多様性を明らかにしたいと思います。



 なお、調査の途中で猫たちの喧嘩に出くわしました。少し近づくと猫は喧嘩をやめて、訝しげな顔でこちらを眺めていました(写真には2匹の猫が写っています)。【佐田】

2023年6月28日

髙野剛史研究員が日本貝類学会奨励賞を受賞しました



  去る6月24日〜25日、東邦大学習志野キャンパスで開催された日本貝類学会令和5年度(創立95周年記念)大会において、当館の髙野剛史研究員が同学会の奨励賞を受賞しました。この賞は、日本の貝類研究の発展に大きな力となることが期待される若手の研究者に贈られます。
 髙野研究員の研究テーマは、寄生性の巻貝の進化と多様性。サンゴや棘皮動物(ウニ・ヒトデ・ナマコなど)に寄生する巻貝を求めて、珊瑚礁から深海まで世界の海が彼のフィールドです。このようなユニークで活発な研究活動が評価されたものと思われます。
 ちなみに今大会での髙野研究員の発表は、「水深6,200 mから得られたハナヅトガイ類への吸虫の寄生例」(共著、私 倉持も含む)で、深海底にすむ巻貝の遺伝子解析を通して、魚類に寄生する吸虫の遺伝子が見つかったという報告でした。広い海を相手に、自由な研究を展開するのは素敵なことですね。
 髙野さん、おめでとうございます。【倉持】

2023年6月2日

北里大学の筒井繁行先生が来館されました

 

 去る5月26日、北里大学海洋生命科学部 准教授の筒井繁行先生と大学院生お二人が来館されました。筒井先生は魚類の免疫学がご専門で、大学院生の方々も寄生虫に対する魚類の生体防御の研究をなさっています。また筒井先生は、今年3月の日本寄生虫学会で私が発表した「テナガダコから得られた線虫」において、共同研究をお願いしている方でもあります。館内をご案内したあと、巖城室長、髙野、佐田両研究員、私とで、お互いの研究や今後の共同研究について意見交換しました。なんと私は、1998年頃に岩手県の大槌臨海研究センター(現在の国際沿岸海洋研究センター:東京大学大気海洋研究所)で、筒井先生に一度お目にかかっているとのこと。この世界の狭さを改めて感じた次第です。【倉持】

2023年5月27日

慶應義塾大学の関井清乃先生が来館されました

 


 5月25日に、慶應義塾大学 助教の関井清乃先生が来館され、ギンザメに寄生する条虫ギロコチレの調査を実施しました。関井先生はプラナリアの有性化因子を研究されており、その因子は単生虫や吸虫など様々な扁形動物でも保持されている一方、マンソン裂頭条虫などの多節条虫類にはないことがわかってきました(論文参照)。ギロコチレは、条虫の中でも節構造のない単節条虫に属します。有性化因子をもつかどうかは、扁形動物の進化を考える上でも興味深い研究です。【高野】

関井先生の論文はこちらです(オープンアクセス)。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2589004222020491

2023年5月26日

伊江島と波照間島で調査



 5月14日から20日にかけて、沖縄県の伊江島と波照間島で野外調査を行いました。梅雨入りが遅れたため、天候に恵まれた一週間でした。伊江島では熟練のダイバーの方に潜っていただき、海底洞窟の調査を実施しました。顕微鏡下で採集物の観察・ソーティングが行われます。寄生性の貝類を含め、普段あまり目にしない生物目白押しで、大変勉強になりました。【高野】

2023年5月13日

新江ノ島水族館の西川湧馬さんが来館されました

 去る5月11日、当館と共同研究を継続している新江ノ島水族館飼育展示部の西川湧馬さんが来館されました。西川さんは駿河湾の漁船に乗って深海生物の採集、展示、研究に取り組んでいます。館内の見学のあと、巖城研究室長をはじめ髙野、佐田研究員、私と今後の共同研究について意見と情報の交換を行い、楽しいひとときを過ごしました。【倉持】

2023年5月1日

ミニ特別展「生体展示 ロイコクロリジウムの幼虫」を開催(2023/4/29~)


 

 ロイコクロリジウム(Leucochloridium属の吸虫)の幼虫は、陸生巻貝のオカモノアラガイの触角内で活発に動いて、鳥に見つけられやすくする生態で知られています。
 この幼虫が寄生したオカモノアラガイが今年4月に千葉県で採集されました。国内では北海道と沖縄県で比較的よく見つかりますが、関東では珍しいことです。
 当館では、採集された幼虫の生体展示を4月29日から始めました。ポスターではこの寄生虫に関する最新の知見を紹介しています。この機会に、生きている幼虫が実際に動く様子をご自分の目でお確かめください。
 貴重な寄生虫をご提供いただいた千葉県の平野様と、千葉県立中央博物館の黒住耐二様に心より感謝申し上げます。 【巖城】

期間 : 2023年4月29日(土)~終了日未定

場所 : 1階 情報コーナー

ロイコクロリジウムQ&A

ロイコクロリジウムについて、よく聞かれる質問とその回答をまとめました。https://www.kiseichu.org/leucochloridium

2023年4月30日

北海道大学大学院理学院の北悠樹さんが来館されました

 4月27日に北海道大学大学院理学院・博士課程の北悠樹さんが、山口左仲博士標本コレクションの魚類の鉤頭虫標本を観察するために来館されました。北さんは鉤頭虫の系統分類学を研究しています。沖縄での調査を終えられて、いったん北海道に戻ってすぐに東京に来られたそうで、大変お疲れさまでした。 【巖城】

2023年4月12日

東京大学の菊地泰生先生がご来館になりました

 去る4月9日、東京大学大学院新領域創成科学研究科教授の菊地泰生先生(写真の後列右)が、学生さんとイギリスの共同研究者の皆さんとともにご来館になりました。菊地先生は、一昨年論文として出版した芽殖孤虫のゲノム解析研究チームのリーダーで、イギリスからのお客様の中にもチームのメンバーが含まれていました。館内をご見学いただいたあと、当館の研究員とご歓談いただき楽しいひとときを過ごしました。【倉持】

2023年4月2日

第92回日本寄生虫学会大会に参加

  33031日に金沢市の金沢歌劇座で開かれた、第92回日本寄生虫学会大会に参加しました。会期中は天候にも恵まれ、兼六園の桜もちょうど見ごろを迎えていました。当館からの発表は以下のとおりでした。


倉持館長、髙野研究員、佐田研究員ほか:兵庫県明石市沿岸産のテナガダコから得られた大型の未成熟線虫について(口頭発表)

髙野研究員、倉持館長ほか:分子生物学的手法により明らかとなった魚類寄生性吸虫の最深分布(ポスター発表)

佐田研究員:皇居における爬虫類を宿主とする蠕虫類の調査(ポスター発表)




 また、大会前日の329日に開かれた寄生虫分類形態談話会において、青山学院大学の飯島 渉教授、久留米大学の原 樹講師、倉持館長の3名が「感染症アーカイブズから浮かび上がる日本住血吸虫症対策」のタイトルで発表を行いました。そして、日本住血吸虫症制圧に関する歴史的資料の保存に関して活発な意見交換を行いました。

 

 さらに、会場に寄生虫館オリジナルグッズを紹介するコーナーを設けました。コーナーには、通販サイトにつながるQRコードを掲示して、気に入ったグッズをすぐに購入できるようにしました。



参加者は皆、遠方の研究者との再会を喜び、盛んに議論をしていました。

【佐田】

2023年3月24日

群馬県立自然史博物館 企画展『毒のある生きもの大図鑑』に協力

 群馬県立自然史博物館では、「怖いけれど見たくなる!! 毒のある生きものたちの世界にご案内します」というキャッチフレーズの企画展「毒のある生きもの大図鑑」を3月18日(土)から5月28日(日)まで開催中です。
 当館は、アニサキスとエキノコックスの画像の提供で同企画展に協力しています。【巖城】

群馬県立自然史博物館 第67回企画展「毒のある生きもの大図鑑」
http://www.gmnh.pref.gunma.jp/

2023年3月8日

北海道大学大学院獣医学研究科のマッケンジー・クァク博士が来館されました

 3月4日に、北海道大学大学院獣医学研究科のマッケンジー・クァク博士(Dr. Mackenzie L. Kwak)がマダニ類の標本の観察のため来館されました。クァク博士は2016年、2017年にも来館されており、今回が3回目です。当館が所蔵するマダニ類の標本は多くはありませんが、クァク博士と一緒に標本庫を探したところ、1940年代の台湾の水牛から採集されたマダニなどを見つけることができました。
 クァク博士は、寄生虫の興味深さと美しさを伝えたいと、InstagramやFacebookで記事や写真を発信されています。皆さんもご覧になってはいかがでしょうか。【巖城】
 
 Instagram: https://www.instagram.com/mackenzie_kwak_parasitologist/
 Facebook: https://www.facebook.com/mackenziekwakparasitologist/