2026年10月3日

新青丸KH-26-15次航海に参加

写真1.マルチプルコアラー

写真2.底引き網で得られた生物

写真3.シダムシの一種

 9月13日から26日まで、海洋研究開発機構の東北海洋生態系調査研究船 新青丸による釧路沖(水深1200~4500 m)の調査に参加しました。沿岸のブルーカーボン(アマモやコンブなどの海草・海藻)が深海にどの程度流入・貯留されているかを調べるのが目的の航海で、底引き網やマルチプルコアラ―(写真1)という測器を用い、生物や泥を採取しました。
 ヒトデやナマコといった棘皮動物が多く得られ(写真2)、様々な寄生虫も見つかりました。写真3は、ニチリンヒトデに内部寄生していたシダムシの一種です。枝分かれした奇妙な姿をしていますが、これでもエビやカニに近い、甲殻類の一員です。【高野】

2026年9月28日

ドイツ・ロストック大学のハリー・パーム博士が来館されました


Palm博士と小川名誉館長、長澤博士
 

  9月15〜20日に、ドイツ・ロストック大学のハリー・パーム博士(Dr. Harry W. Palm)が来館されました。パーム博士は四吻目(Trypanorhyncha)の条虫類の研究の第一人者で、20年前と17年前にも当館所蔵標本の観察のため来訪されており、今回が3度目の来館です。

 四吻目条虫の専門家は日本にはほとんどおらず、日本周辺のこの条虫類の状況はほぼ知られていません。その解明がパーム博士の20年前からの目的です。そのために、多種多様な魚類の寄生虫標本の蓄積である山口左仲博士標本コレクションは大変重要です。
 パーム博士は事前に準備した400枚以上の標本について次々と観察と種同定を行い、ノートPCの論文原稿に同定結果や標本データをすぐに書き込むという、その手際の良さは見事なものでした。それらの観察を終えると、標本庫で未登録標本から四吻目と思われるものを選び出し、更に50枚以上の標本を観察しました。古い標本のラベルやカードの多くは日本語の手書きなので、それを読んで訳すという作業で私もお手伝いしました。
 9月19日には小川和夫名誉館長と、元・広島大学教授の長澤和也博士がパーム博士に会うため来館されました。お二人は魚類寄生虫の専門家です。長澤博士はパーム博士が学生の頃からのお知り合いで、今回は20年ぶりの対面でした。小川名誉館長の条虫標本を観察しながら、四吻目の種同定のポイントを教わりました。
 当館の標本が関わった論文は近いうちに投稿される予定です。また、パーム博士は数年内に四吻目条虫の全種を載せた本を書くつもりということなので、これも大変楽しみです。【巖城】

2026年9月6日

今年も博物館実習が無事終了しました

 9月5日付のブログでお知らせしましたように、博物館実習を8月26〜30日に実施しました。実習生は学芸員の資格取得を目指す学生さんたちで、大学での専攻は農学、理工学、社会学、芸術学、文芸学、美術学、造形学と実に様々。学生さんどうしの交流も楽しんでいただきました。【倉持】

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マレーシアからお客様

 去る8月26日、マレーシア寄生虫学・熱帯医学会(MSPTM)の皆さんが来館されました。皆さんはカナダのモントリオールで開かれた国際寄生虫学会(ICOPA)の帰り道に来日されたとのこと。MSPTMは現在、マレーシアに寄生虫博物館を作る計画があり、来館された皆さんは会長のアデーラ・イーダ・ジーラム博士をはじめ博物館準備委員会のメンバーです。館内見学の後、当館の歴史や運営方法などについてお話しし、いくつかのご質問をいただきました。マレーシアの公衆衛生事情や衛生教育事情についても伺うことができました。収蔵庫も見ていただき、今後の協力・共同を約束して帰られました。【倉持】

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2026年9月5日

山口左仲博士の論文原図展示を更新しました

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 2階展示室の「山口左仲博士が論文に使った原図」展示が9月2日から新しくなりました。
 魚類および鳥類に寄生する吸虫類に関する論文3編(1934年・1935年)の図版から選びました。中央アクリルケースには、京都の、今はもう無い巨椋池(おぐらいけ)のクイナの小腸から、山口博士が約90年前に採集した吸虫類 Echinostoma ralli のプレパラート標本を展示しました。その掲載論文別刷のコピーも展示しているので、合わせてご覧ください。
 今回の展示は、8月26日から30日に行われた博物館実習の一環として、実習生が選んだ図版をパネルにレイアウトし、展示室に設置したものです。実習生の皆さん、お疲れさまでした。【巖城】