2018年9月17日

長崎大学 大学院生の塩﨑さんが来館

9月5〜8日に、長崎大学大学院 水産・環境科学総合研究科の大学院生、塩﨑 彬さんが標本閲覧のため来館し、山口左仲博士コレクションのうち、クジラ・イルカ類の吸虫標本の観察を行いました。塩﨑さんが現在研究中の新種の吸虫の同定や、吸虫類の新しい分類のためには、タイプ標本(模式標本)の観察が必須となります。当館所蔵の標本が活用された研究の発表を心待ちにしています。 【巖城】

2018年9月12日

島根県で魚類寄生虫の講演会

9月7日(金)に島根県浜田市、8日(土)に島根県松江市で、漁業関係者の方々を対象に魚の寄生虫に関する学習会があり、アニサキスなど、人に寄生する可能性のある寄生虫と目について商品価値を落とす寄生虫(異物としての寄生虫)を中心に話をしてきました。魚を提供する側にとっては生食によるアニサキス食中毒は深刻な問題です。研究者やマスメディアが消費者に正しい情報を提供していくことが重要と感じました。【館長】


2018年9月8日

ミニ解説会「藤浪 鑑展:資料で見る100年前の日本住血吸虫病研究」開催(9/23)


 現在、特別展示「藤浪 鑑展」を開催中です。かつては原因不明とされた日本住血吸虫病。この病気は、藤浪博士の行った実験を通じて感染経路が証明されました。今回は、特別展示を小川館長がさらに掘り下げて解説します。

日時:2018年9月23日(日・祝)①10:30~ ②13:00~ 各回約10分(同じ内容です)
場所:1階展示室
予約・参加費:不要
講師:小川和夫(当館館長)

2018年8月31日

韓国大邱(テグ)の世界寄生虫会議で発表しました


 8月19日から24日に大邱で行われた第14回世界寄生虫会議で、クロマグロに寄生する住血吸虫カルジコラ オリエンタリスの中間宿主内の発育について発表しました。この寄生虫は中間宿主であるフタエラフサゴカイ(多毛類に属す環形動物の一種)の体腔内で増殖して、大量のスポロシスト幼生になります(写真右はスポロシストで充満したゴカイの断面像)。スポロシストの内部はマグロへの感染ステージであるセルカリアで充満しています。寄生虫に栄養を奪われたゴカイは成熟できなくなります(寄生去勢といいます)。
 日本の養殖クロマグロには心臓やエラの血管に寄生する住血吸虫が3種知られています。どの種も虫卵がマグロのエラの毛細血管を詰まらせ、マグロを殺すこともある有害寄生虫です。現在、近畿大学と共同で被害軽減のための対策研究をしています。 【小川】

2018年8月30日

茨城での陸貝採集

8月21日に陸貝採集のため茨城まで行ってきました。寄生虫の実験に使うナミコギセルを採集するのが主な目的です。ナミコギセルはゴミ・野菜捨て場に大量にいたので、充分すぎるほどの数を確保できました。この陸貝は植物質のものを食べるので、捨てられた野菜を食べて増えたのかもしれません。今回の実験結果の一部を今年の学会で発表するのが、現在の私の目標です。【脇】

2018年8月27日

日本海裂頭条虫の標本・パネルの学名表示を変更しました


 日本海裂頭条虫(Diphyllobothrium nihonkaiense)は「人体に寄生するサナダムシの一種」として有名ですが、昨年(2017年)、学名を Dibothriocephalus nihonkaiensis に変えるべきという研究成果が発表されました。寄生虫の学名はどこかの機関が決めるものではなく、研究者の間で分類が正しいと信じられれば徐々に定着するものですが、今回はこの条虫の研究分野ではトップと言える研究グループの発表なので、今後はこの学名が広まると考えられます。
 そのため8月12日に、館内数か所にある日本海裂頭条虫の標本やパネルの学名表示を変更しました。さらに最近の知見を反映して、この条虫の生活環の図と説明を一部修正しています。 【巖城】

2018年8月23日

栃木での陸貝寄生虫調査

9日から10日にかけて、栃木で陸貝を採集してきました。予想通り、関東で普通な陸貝であるヒカリギセルやヒダリマキマイマイが採れました。丸太をひっくり返した裏に陸貝が付いていましたが、生息密度は低めでした。北関東では陸貝の個体数密度が低い印象があり、南関東に比べて採るのが難しい気がしています。
採集してきた陸貝とその寄生虫データは、今後の学会や学術誌で公開していく予定です。【脇】

2018年8月8日

白陵高校の神尾祐輔先生と生物部の生徒4名、神戸大理学部の新田理人先生が来館


 8月2日・3日に、兵庫県の白陵高校の神尾祐輔先生と生物部の生徒4名、神戸大理学部の新田理人先生が来館しました。メバルに寄生する単生類を研究している生徒さんは、山口左仲博士が60年以上前に新種記載した標本を観察し、熱心にメモを取ったり写真撮影したりしていました。一方、淡水魚・巻貝の寄生吸虫の生活環解明がテーマの生徒さん達は、研究員とディスカッションしながら、所蔵資料を楽しそうに調べていました。その合間を縫って、新田先生も山口標本コレクションの単生類標本を精力的に鏡検していました。
 翌日は、訪れた東京大学博物館でさらに素晴らしい発見があったそうですが、それについては生物部のfacebookをご覧ください。 【巖城】

白陵生物部
https://ja-jp.facebook.com/HakuryoBiology