2022年12月4日

一盛和世先生が第29回読売国際協力賞を受賞されました

 当館評議員で長崎大学客員教授の一盛和世先生は、蚊が媒介する寄生虫病、リンパ系フィラリア症対策の専門家です。象皮病や陰嚢水腫を起こすこの病気は「貧困の病気」といわれ、日本は1970年代に制圧しましたが、現在でもアジア・アフリカを中心に約5,100万人以上が罹患しているといわれます(当館2階の展示も参照)。
 一盛先生は、1992〜2014年に世界保健機関(WHO)に勤務し、媒介蚊の研究と対策を推進し、太平洋諸国・諸地域において、さらに全世界に向けてリンパ系フィラリア症制圧計画を策定・実施しました。その結果、これまでに17の国・地域で本症が制圧されました。途上国の貧しい人々を苦しめてきた熱帯病の制圧に道を開いた、一盛先生の国際貢献が高く評価されました。一盛先生、心からお祝い申し上げます。【倉持】

2022年11月27日

令和4年度学芸員実習を実施しました

 去る11月16〜20日、令和4年度学芸員実習を実施しました。コロナ渦によりここ2年間は中止を余儀なくされましたが、本年度はオンライン実習を試みたところ、各地の大学から7名の実習生を迎えることができました。実習プログラムと担当は以下のとおり。

1. バーチャル見学会(1コマ):倉持館長
2. 法人運営の仕組みと目黒寄生虫館の歴史(1コマ):亀谷事務長
3. 館の研究・展示活動と標本・資料の管理(1コマ):巖城研究室長
4. サイエンスコミュニケーター養成講座(6コマ):髙野・佐田研究員(2グループに分かれて研究員に取材し、一般向けのプレゼンテーションを作るプログラム)
5. ウェブミュージアムの作成(6コマ):倉持館長(ジャパンサーチを使って展示資料を検索・収集し、各自が小さな展覧会を作りました)

 実習生の皆さんに感想を伺ったところ、初めて経験することが多く概ね満足していただいたようでした。【倉持】

2022年11月19日

日本貝類学会令和4年度大会で発表しました


 11月12・13日に、日本貝類学会令和4年度大会が沖縄県那覇市で開催され、私(高野)は「クロナマコに寄生するハナゴウナ科腹足類2種における付着部位の差異」という題でポスター発表しました。もともと2020年に沖縄での開催を予定していましたが、新型コロナウイルス感染症のためずっと延期になっていました。国内の学会としては3年ぶりの対面開催でしたが、やはり色々な方と会って話せるのは重要と再認識しました。他方、実行委員の皆様は感染対策など準備が大変だったと思います。この場を借りて感謝申し上げます。
 前日11日には貝類学会若手の会があり、私は世話人として関わりました。今後埋め立てが計画されている浦添市の海岸で貝類相を調べ、その後貸し会議室で情報交換会が行われました。フィールドワークは短い時間でしたが、一人で50以上の科を確認した参加者もおり、多様な貝類が生息する場所でした。埋め立てられてしまうのは惜しいものです。【高野】

2022年10月20日

超深海の生物相調査に参加



 9月30日から10月17日まで、白鳳丸KH-22-8次航海に参加しました。襟裳岬南東沖、千島海溝と日本海溝の境界付近の、水深2000~7500 mの海底にいる生物調査が目的でした。最近の定義では、水深6500 m以深を超深海と呼びます。生物の採取は、主に幅3 mの底引き網を用いて行います。深い場所では、一回の調査に7時間ほどかかりました。
 途中荒天で観測ができない日もありましたが、ナマコに内部寄生する巻貝3種を得ることができました。ほとんど記録のない、大変貴重な標本です。今後の研究が楽しみです。また、一番深い地点で、プラスチックごみが大量に得られたのも印象的でした。こういう場所にたまってしまうのかもしれません。これらも専門家に送られ、研究に生かされる予定です。【高野】



2022年10月16日

日本公衆衛生学会総会に参加しました

シンポジウム:「地方病」制圧の歴史と記憶

 去る10月7〜9日に、山梨県甲府市のYCC県民文化ホール・山梨県立図書館で開催された第81回日本公衆衛生学会総会(学会長:山縣然太朗山梨大学教授)に特別企画参加しました。この企画は山梨大学、感染症アーカイヴス・三菱財団、目黒寄生虫館の共同開催で、山梨県の地方病(日本住血吸虫症)制圧の歴史を振り返り、語り継ぐことをテーマに行われました。【倉持】