2026年10月15日

アニサキスのワークショップ


 10月4日、愛知県の蒲郡市生命の海科学館で開催されたワークショップ「生きたアニサキスを探してみよう!」で講師を務めました。午前と午後の2回行い、小学生と保護者の方をはじめ各回20名程度にご参加いただきました。このワークショップでは、当館で検査を行う時と同じ過程を実施しました。すなわち、マサバを解剖して内臓表面のアニサキスを見つけるとともに、身はミンチにして薄くのばし、後ろから光をあてて中に潜むアニサキスを探します。たくさんの質問もいただき、充実したイベントとなりました。
 蒲郡市生命の海科学館とは、11月29日まで特別展「あっちにもこっちにも!寄生虫のせかい」を共催しています。ぜひ足をお運びください!【高野】

2026年10月12日

理科ハウス LiCa・HOUSeを訪ねました

 理科ハウスは、神奈川県逗子市にある自称「世界一小さな科学館」。それでも館内には、五感による体験を目指した展示物と実験装置があふれ、貸し出しもしてくれる図書室を備えます。加えてサイエンスレクチャーに特別企画展などのイベントも。スタッフは館長さんと学芸員さんお一人のみで、来館者には必ず声をかけ、ともに体験し会話を楽しみます。これほどに素敵な理科ハウスですが、来年5月16日を以て閉館すると伺い、急遽9月28日に訪ねました。理科ハウスとは、2021年11月にオンラインイベントでご一緒して以来の再会です。
 加えて理科ハウスは、当館とは何かと縁がある(一社)路上博物館が行う「サイレント閉館調査プロジェクト」に大きく関わっています。サイレント閉館とは、博物館等が「誰にも知られずにひっそりと閉館する」こと。コレクションや知恵や記録の蓄積が失われていくことを意味します。そこで、路上博物館は「理科ハウスと目指す楽しい閉館の大実験」を開始。閉館までの1年間にやるべきこと、できることをワークショップ形式でまとめ、理科ハウスの閉館を通して新しい「閉館モデルづくり」を目指します。当館でも、理科ハウスの閉館を惜しむだけでなく、その思想や辿った道のりを次世代に語り継ぐ何かを探っていきたいと考えます。【倉持】
Uploaded Image

2026年10月8日

草垣群島で生物調査

  9月27~29日にかけ鹿児島大学水産学部の練習船 南星丸にお世話になり、28日に草垣群島の上ノ島という無人島で調査を行いました。台風の影響がありましたが、幸い1日はしっかり時間を取ることができました。草垣群島は鹿児島県の南西約80 kmに位置し、他の有人島とはどことも離れておりアクセスが難しい島の一つです。貴重な機会でしたので、海の貝類に加え陸貝(カタツムリ)、植物の研究者も参加しました。
 衛星写真では平らに見えましたが、実際には切り立った崖のような地形で、上陸地点は限られました。ボートで近づき、最後は泳いで島に渡ります。灯台とそこへ延びる簡易な道があるものの、人の手がほとんど入っておらず、海産貝類はどの種も普段見るより大きく育っている印象でした。共同研究に必要な共生性の貝も得られ、大変充実した調査となりました。今後、本調査で得られた貝類をまとめ、報告する予定です。【高野】

2026年10月4日

台湾からお客様

 去る9月27日、ハナビルを研究する賴亦德 (ライ・イー・テー)博士がお友達とともに来館されました。見学と台湾産のハナビル Dinobdella ferox の標本をご寄贈いただくためのご来館でした。ハナビルは環形(かんけい)動物門、ヒル綱、顎(あご)ヒル目、ヒルド科に属し、幼生期はヒトを含む大型哺乳類の鼻腔内で寄生生活を送り、成虫になると宿主を離れて自由生活に入ります。幼生は宿主の血液を吸って成長し、成虫は水生昆虫やイトミミズなどを捕食します。日本にも見られますが非常に珍しく、10例ほどのヒトの症例が報告されているようです。これまで当館はハナビルの標本を所蔵していなかったため、たいへん貴重な標本をいただいたことになります。【倉持】

Uploaded Image

2026年10月3日

新青丸KH-26-15次航海に参加

写真1.マルチプルコアラー

写真2.底引き網で得られた生物

写真3.シダムシの一種

 9月13日から26日まで、海洋研究開発機構の東北海洋生態系調査研究船 新青丸による釧路沖(水深1200~4500 m)の調査に参加しました。沿岸のブルーカーボン(アマモやコンブなどの海草・海藻)が深海にどの程度流入・貯留されているかを調べるのが目的の航海で、底引き網やマルチプルコアラ―(写真1)という測器を用い、生物や泥を採取しました。
 ヒトデやナマコといった棘皮動物が多く得られ(写真2)、様々な寄生虫も見つかりました。写真3は、ニチリンヒトデに内部寄生していたシダムシの一種です。枝分かれした奇妙な姿をしていますが、これでもエビやカニに近い、甲殻類の一員です。【高野】