2023年9月30日

千葉県でのカエル調査

 去る9月22日、千葉県へカエルの採集に出かけました。この日は今にも降りだしそうな曇天でした。水田や山道などを調査しましたが、稲刈りが終了して水田の水が抜かれたためか、カエルは非常に少なく、ムカシツチガエルが1匹採れただけでした。ムカシツチガエルとは、関東~東北太平洋側のツチガエル集団が、最近になって新種として記載されたものです。ツチガエルよりも古い時代から日本にいたと考えられています。カエル以外では、草むらでヤマビルを1匹だけ捕まえました。後日、カエルの寄生虫を調べたところ、線虫が1種だけ得られました。次回調査は、来年の春になります。【佐田】


2023年9月17日

山口大学の戸倉愛美さんと工藤彩夏さんが来館されました

 9月15日、山口大学 共同獣医学部の学生の戸倉愛美さんと工藤彩夏さんが、当館所蔵標本閲覧のため来館されました。お2人はコウモリの寄生虫を研究されています。他の研究者の標本をなかなか見る機会がないということで、山口左仲博士・木船悌嗣博士・久木義一博士など先人の残したプレパラート標本について熱心に観察や撮影を行なっていました。忙しい中、観察の合間に展示室の観覧やショップでの買物もしていただきました。【巖城】

2023年9月16日

山口左仲博士の論文原図展示を更新しました

 9月10日、2階展示室の「山口左仲博士が論文に使った原図」の更新を行いました。今回は1936~1938年に描かれた、魚類に寄生する吸虫の原図を壁面パネルで展示しています。中央のアクリルケースには、山口博士が91年前に長野のヒガイから採集した吸虫 フィロピンナ(Philopinna higai)の実物のプレパラート標本を展示しました。この寄生虫の図版の原図や、掲載された論文の別刷も合わせてご覧ください。
 ちょうど博物館実習の実施中でしたので、展示する原図の選択と展示パネルへの貼り付け、説明パネルやタッチパネル用画像ファイルの作成、展示パネルの設置など、一連の作業を実習生が分担して行いました。皆さんお疲れさまでした。【巖城】

2023年9月15日

アラブ首長国連邦のロルフ・シャスター博士が来館されました

 9月8日、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイにあるセントラル・ベテリナリ―・リサーチ・ラボラトリー(CVRL)のロルフ・シャスター博士(Dr. Rolf K. Schuster)がご家族と来館されました。11年振りのご訪問です。シャスター博士はドバイで現地の様々な動物の診療に携わっており、当館にもハヤブサやフラミンゴなどの寄生虫が寄贈・登録されています。今回もヒトコブラクダやサバクフサエリショウノガン(鳥類)など、UAEならではの動物から採集された20種以上の寄生虫をご寄贈くださいました。貴重な標本として大切に保管に努めます。【巖城】

2023年9月10日

日本ベントス学会・日本プランクトン学会合同大会で発表

 9/1~3に北海道大学水産学部(函館)で開催された、日本ベントス学会・日本プランクトン学会合同大会に参加しました。私(高野)は「内部寄生性腹足類における殻形成コストの縮減」という題で、寄生貝の殻をX線マイクロCT撮影して得られた成果を発表しました。
 学生による発表が50題以上あり、皆活発に良い研究をされていてとても刺激になりました。写真は私が以前所属していた研究室の学生による発表で、学生優秀発表賞に選ばれました。おめでとうございます。【高野】

2023年9月9日

法政大学の島野智之先生が来館されました

 9月6日、法政大学 自然科学センター/国際文化学部 教授の島野智之先生と学生さん5名が自然史の授業の一環で来館されました。島野先生はダニ学、土壌動物学、原生生物学がご専門で、当館ショップでも島野先生の書かれたダニ類の本を扱っています。展示室に加えて地下の標本庫・書庫をご案内し、様々な寄生虫が居ることと共に、標本・資料の収集や整理の大切さについても感じていただけたことと思います。【巖城】

2023年9月8日

国立研究開発法人 水産研究・教育機構(三重県)の新田理人博士が来館されました

 9月1日・2日に、国立研究開発法人 水産研究・教育機構(三重県)の新田理人博士が魚類の寄生虫標本の観察のため4年振りに来館され、山口左仲博士や尾崎佳正博士の標本コレクションなどからプレパラート標本100枚近くを精力的に観察されました。ちょうど当館では博物館実習を実施中で、実習生には閲覧標本の検索や返却を手伝っていただき、所蔵標本が活用される現場を見てもらう良い機会になりました。【巖城】