2019年11月24日

ニューカレドニアで行われた生物多様性調査に参加しました


 10月26日から11月19日まで、ニューカレドニアのクマックで実施された生物多様性調査(Koumac 2.3 Expedition)に参加しました。パリ国立自然史博物館のPhilippe Bouchet教授が主催した大規模な調査で、15国籍51名の研究者・技術者が集い、貝類と甲殻類を採集しました。私の研究対象である寄生貝も50種以上見つかりました。写真はウミシダに寄生するハナゴウナ類の一種です。得られた標本は形態により分類され、その後遺伝子解析が行われます。【高野】

調査HP(フランス語):
http://nouvellecaledonie.laplaneterevisitee.org/fr
「CARNET DE BORD」の「Koumac」より調査のブログを、「PARTICIPANTS」の「Koumac 2019」より参加者一覧を見ることができます。

2019年11月22日

論文が発表されました:寄生貝の世界最深記録

 千島・カムチャッカ海溝の水深5,100~9,500 mに生息する巻貝類の多様性を調べた論文が、Progress in Oceanographyに掲載されました。採集された巻貝は86種に分類され、私の研究対象であるハナゴウナ科の寄生貝も6種がみつかりました。うち1種は約8,730 mより得られ、寄生性貝類の世界最深記録となりました。
 本研究は東京大学大気海洋研究所と琉球大学、国立科学博物館の研究者と共同で行われました。東京大学大気海洋研究所のホームページで詳しく紹介されていますので、あわせてご覧ください。【高野】

紹介ページ:
https://www.aori.u-tokyo.ac.jp/research/topics/2019/20191114.html

論文へのリンク(英語の要約を読むことができます):
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0079661119302307

2019年11月20日

青山学院大学で住血吸虫症の公開シンポジウム



 11月16日に青山学院大学で、感染症アーカイブス主催、目黒寄生虫館共催の公開シンポジウム「寄生虫との百年戦争―住血吸虫症の制圧を目指して」が開催されました。5人のシンポジストの一人として『「顧みられない熱帯病」としての日本住血吸虫症』という題でお話ししました。原因寄生虫の発見、感染経路の特定、中間宿主の発見の後、中間宿主のミヤイリガイの駆逐に官学民が一体となって取り組み、日本住血吸虫症を根絶させた日本の歴史を解説しました。シンポジウムではフィリピンを含むアジアや世界の住血吸虫症への取り組みが紹介されました。研究者、学生、一般の方など約50名の参加がありました。【小川】

2019年11月15日

福島県で食品寄生虫について講演


 11月12日に第43回福島県食品衛生大会(福島県福島市)で、記念講演として『食品と寄生虫 ~ 特にアニサキスについて ~』という題で150名の方々にお話ししました。昨年、食中毒事件の発生が多かったアニサキス症を中心に、ヒラメの刺身が原因となるクドア食中毒や、野生鳥獣の肉(ジビエ)が感染源となり得る寄生虫などについて、生態や予防法を解説しました。【巖城】

2019年11月8日

ミニ解説会『フクロムシってどんなムシ?』開催のお知らせ(11/30)


 海に行くと、岩や堤防などにフジツボが張り付いているのをよく見かけます。ほとんどのフジツボは海中を漂うプランクトンを食べていますが、宿主動物から直接栄養を奪う寄生性の仲間もおり、カニなどに付着するフクロムシはその代表例です。今回は、フクロムシの形や生態について、最新の研究結果を交え解説します。【高野】

日時: 2019年11月30日(土)①10:30〜 ②13:00〜 それぞれ10分程度(2回とも同じ内容)
場所: 1階展示室
予約・参加費: 不要
講師: 高野 剛史(当館研究員)

2019年11月7日

カツオのアニサキス寄生状況についての研究情報の掲載

 「研究情報」に、昨年度および今年度実施したカツオのアニサキス寄生状況とアニサキス食中毒に関する調査の情報を掲載しました。今年度の調査は継続中です。
 ページ右側(PCの場合)または下部(スマートフォン等の場合)のメニューの「研究情報」からご覧ください。 【巖城】

「カツオの生食を原因とするアニサキス食中毒の発生要因の調査と予防策の確立のための研究について」(厚生労働科学特別研究)
https://kiseichukan.blogspot.com/p/20191107a.html

「今年(2019年)のカツオにはアニサキスは少ない―目黒寄生虫館による調査結果」
https://kiseichukan.blogspot.com/p/20191107b.html