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2026年7月17日

蒲郡市生命の海科学館で特別展の設営


  蒲郡市生命の海科学館(愛知県蒲郡市)では、明日7月18日より特別展「あっちにもこっちにも!寄生虫のせかい」が当館と共催で開催されます。7月14日、倉持と私(高野)で、本特別展と、同時に開催される企画展「もっと深堀り!寄生虫は十人十色!?」の設営のため、科学館を訪れました。前日に搬出した標本を運び入れ、開梱の後展示用にガラス瓶に移し、所定の場所に設置します。8時間ほどで作業は無事に終了しました。
 私にとって、これほど大きな規模の展示の計画・設営は初めてで、大変勉強になりました。特別展は11月29日まで開催されます。たくさんの寄生虫標本が展示されていますので、ぜひご覧ください。【高野】

期間:2026年7月18日(土)~11月29日(日)
開館時間:午前9時~午後5時(入館は4時30分まで)
休館日:毎週火曜日(夏休み期間は開館)

本展示は、船の科学館「海の学びミュージアムサポート」の助成を受け開催されています。

2026年5月28日

「国際生物多様性の日」ミニ解説会


 5月22日は「国際生物多様性の日」で、毎年世界各地で関連したイベントが開催されます。当館では、直近の土曜日・日曜日にあたる23日・24日に、現在開催中の特別展「寄生・共生関係 太古の海と今の海」の解説会を行いました。各日の午前と午後に開催し、計4回で120人以上の方々にお越しいただきました。解説会後は質問も多くいただき、興味を持っていただけて嬉しい限りです。特別展は7月5日まで開催中です。ぜひお越しください!【高野】

2026年1月22日

視察研修@韓国に参加

 1月13~19日にかけて、全国科学博物館協議会が主催する海外科学系博物館視察研修に参加し、韓国のソウル・木浦・光州で計8施設を訪れました。国立館はどれも巨大で、VRやプロジェクションマッピング、透過型タッチパネル、AIなど、最新のデジタル技術をふんだんに取り入れていました。魅力的ですが、国などによる相当な支援がないと導入は難しいだろうな、という印象を受けました。
 自主研修日には、韓国健康管理協会(Korea Association of Health Promotion, KAHP)が運営する寄生虫博物館を訪れました。標本がきれいに並べられており、寄生虫の多様性、韓国における寄生虫症の過去と現在、食品から感染しうる寄生虫などが解説されていました。入館無料で日本語の音声ガイドもありますので、ソウルを訪れた際は是非足を運んでみてください!【高野】

2025年12月13日

Vegetable Recordのアーティストと対談


  Vegetable Recordの三上 僚太氏と林 翔太郎氏は、館内の音環境デザインプロジェクトで楽曲を作成いただいたアーティストです(詳細は本ブログ8月29日のポスト[https://kiseichukan.blogspot.com/2025/08/blog-post_29.html]をご覧ください)。12月9日に、お二人と館長の倉持、私(高野)とで、今回のプロジェクトの経緯や狙い、曲のコンセプトなどについて対談を行いました。休館日でしたので、展示室に机と椅子をならべてお話ししました。詳細は、後日Vegetable RecordのHP(https://www.vegetablerecord.com/)で公開される予定です。お楽しみに!【高野】

写真:AKINORI TANAKA

2025年9月14日

山口左仲博士の論文原図展示を更新しました

 9月10日から、2階展示室の「山口左仲博士が論文に使った原図」展示が新しくなりました。
 今回の展示は博物館実習(9月3日〜7日)の一環として、実習生さんたちが論文の図版の中から展示したいものを厳選してパネルにレイアウトし、設置したものです。2016〜2017年度にも展示した、魚類に寄生する吸虫類に関する論文(1934年)の百数十点の図版から選んでもらいました。結果として前回と同じ図版が約7割を占め、人々を惹きつける図版は共通しているのだなと驚かされました。
 中央のアクリルケースには、約85年前に山口博士が瀬戸内海産のハモの胃から採集した吸虫類 Tubulovesicula muraenesocis のプレパラート標本と、掲載された論文別刷のコピーを展示しました。ぜひ合わせてご覧ください。 【巖城】

2025年9月13日

久留米大学医学部より資料をご寄贈いただきました

 日本住血吸虫症はかつて、九州の筑後川流域、片山地方(現在の広島・岡山県境付近)、山梨県甲府盆地などに流行し、古くから人々に恐れられていた恐ろしく悲惨な風土病でした。久留米大学医学部の感染医学講座真核微生物学部門(旧寄生虫学講座)には、初代教授の岡部浩洋(こうよう)博士(在任:昭和24(1949)〜昭和49(1974)年)以来の、本症制圧に至る貴重な資料が数多く遺されていました。今回、現職の井上雅広教授のご尽力とご厚意により、これら資料を当館にご寄贈いただきました。去る8月28日に梱包作業、翌日久留米を出発、9月1日に当館に無事到着しました。この先、これら資料を保存しつつデジタル化を進め、公開して多くの方々に利用していただくことを目指します。
 なおこのプロジェクトは、(公財)関西・大阪二十一世紀協会による2025年度「万博記念基金助成金」をいただいて実現しました。【倉持】

2025年8月29日

展示室の音環境をデザインしました

パネルの中に小型スピーカーを設置

 







アンプなど







解説文も設置しています













 当館は、「音楽を使った空間デザイン」を手がけるVegetable Recordと共同で、音を含めた展示室環境の作成を進めてきました。館内で流す音楽は、実際に展示室を見学の後、寄生虫やその生活史などから着想を得て作曲していただきました。8月26日にアンプやスピーカーなどの設置作業を行い、27日から流し始めました。
 1階と2階にある天井スピーカー、さらに各階3ないし4か所に設置された小型スピーカーから別々の音楽を流し、場所によって異なる雰囲気を感じられるようになっています。数々の標本や資料とともに、音楽もコンテンツの一つとして展示をお楽しみください。【高野】

本プロジェクトは、(一財)全国科学博物館振興財団による「2025年度全国科学博物館活動等助成事業」により実施されました。

寄生虫館HP: https://www.kiseichu.org/single-post/20250827
Vegetable Record: https://www.vegetablerecord.com/

2025年4月13日

情報コーナーで「日本の寄生虫症と寄生虫性食中毒の発生状況」展示を開始

 4月11日から情報コーナーで「日本の寄生虫症と寄生虫性食中毒の発生状況」の展示を始めました。
 日本では、かつて見られた回虫・鉤虫・蟯虫などによる寄生虫症はほとんど無くなった一方、新鮮な魚・肉や、汚染された水から感染する寄生虫症や食中毒、海外との交流の増加で感染機会が増えた寄生虫症が問題となり、死者も発生しています。
 新設の展示では、厚生労働省の統計データに基づく、最近10〜20年間の寄生虫症(四類・五類感染症)と寄生虫性食中毒の発生状況をグラフで見られます。今まで展示の無かった、クリプトスポリジウムやジアルジア(ランブル鞭毛虫)などの写真や解説もあります。
 特別展などの開催時は、一時的にそれらの内容に入れ替えることがあります。あらかじめご了承ください。【巖城】

2025年3月6日

日本展示学会:2024年度展示学講座に参加しました

 この講座は去る2月22・23日、日本各地で展示に携わる職員など40名ほどを集めて、東京国立博物館の黒田記念館(東京都台東区)で開催されました。今回のテーマは「展示のリノベーションを考える」でした。このリノベーションという言葉には、展示のリニューアル(改修)とどまることなく、社会的な要求の変化や、来館される皆様のニーズの拡大と多様化に広く応えるために博物館は生まれ変わる、という意図が込められています。2日間のプログラムは、リノベーションの現在とこれから、リノベーションに向けた展示評価の方法に関する講義、ワークショップ(写真参照)、リノベーションの事例報告などからなりました。多様で高度なデジタル化によりリノベーションを達成した報告の一方で、解説パネルを「手書き」にしたことで来館者が急に増えた事例などは大きな話題となりました。【倉持】

2025年1月29日

DNDi幹部の皆さんがご来館になりました

 特別写真展 「顧みられない熱帯病と暮らす人びと」が開幕した1月24日午後、同展を共催しているDNDi(顧みられない病気の新薬開発イニシアティブ)幹部の皆さんに写真展をご覧頂きました。DNDiの皆さんは、当館での展示に大きな期待を寄せているとのこと。ロンドンからお越しのエリック・ストバーツ先生から、亀谷 了先生が目黒寄生虫館を創設したいきさつや、ご来館なる方々の年齢層などについてご質問をいただきました。また、「はらのむし通信第204号」にご寄稿いただいた平林史子先生もお越しになりました。平林先生は昨年12月、熱帯医学における業績が高く評価され、2024年度日本熱帯医学会女性賞を受賞されました。平林先生、おめでとうございます。【倉持】

DNDi(英語)
https://dndi.org

DNDi Japan
https://dndijapan.org

2025年1月24日

世界顧みられない熱帯病の日(1月30日) 特別写真展 「顧みられない熱帯病と暮らす人びと」が開幕しました

 来る1月30日は、WHO(国際保健機関)が定めるWorld NTD Day(世界顧みられない熱帯病の日)です。写真展のご紹介は下記リンクでご覧いただけます。下の写真は、開幕前日の閉館後に行われたデザインチームによる展示設営の様子です。ドキュメンタリー写真と映像からなる展示は、これまでの特別展にはない味わいに仕上がり、現地の様子が生々しく伝わってきます。昨年暮れに発刊した「はらのむし通信 第204号」では、この「顧みられない熱帯病」を特集しており、写真展と合わせてご覧頂くとより理解が深まり実感がわいてきます。これらの病気と共に生き、闘う人々に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。ご来館をお待ちしております。【倉持】

写真展のご案内
https://www.kiseichu.org/single-post/20250122

「はらのむし通信 第204号」のご案内
https://www.kiseichu.org/publication

2025年1月18日

「仁吉3D」7作品を新たに公開しました

 当館では、沼田仁吉(1884〜1971年)作製による寄生虫卵8種と衛生害虫3種の拡大蝋模型を3Dデータ化し、「仁吉3D」と称して公開してきました。この度はその第2弾で、新たに寄生虫卵7種が加わりました。さらに今年度は一歩進めて、寄生虫卵12種について3Dプリンターによるレプリカ作成を行いました。倍率はすべて1000倍ですから、卵の大きさの違いが良くわかります。透明の樹脂を使ったことで、寄生虫卵の実感がよく表現できました。

    MPM-463 ほか7点 寄生虫卵ワックスモデル
    https://sketchfab.com/3d-models/mpm-463-7-parasite-egg-wax-models-e31561abdc124dd1b250532538936aaa

    仁吉3D
    https://www.kiseichu.org/jinkichi3d

 昨年の11月には「レプリカの利用」を試みました。東京科学大学(旧:東京医科歯科大学)医学部、寄生虫学・熱帯医学分野の石野智子教授ほか先生方のご厚意により、当館の巖城、髙野、私 倉持がレプリカを携えて医動物学実習に参加させていただきました。実習では医学科と保健衛生学科の学生さんたちが、寄生虫卵の標本や組織切片などを顕微鏡観察しスケッチしますが、立体的で手に取ることができるレプリカにたいへん興味を持っていただきました。今回の試みはまずまず成功といったところでしょうか。今回のこの一連の事業は、一般財団法人全国科学博物館振興財団による、2024年度全国科学博物館活動等助成事業の助成を受けて行われました。
 この先も様々な利用を考え、試していきます。なお、沼田の作品が館外に出たのはこれが初めてです。【倉持】

2025年1月16日

めぐろキッズレポーターの取材を受けました

 1月11日に、めぐろキッズレポーターの皆さんがご来館になりました。めぐろキッズレポーターとは、目黒区在住のこどもたちが区内の情報を取材して、目黒区の魅力を発信していく活動です。今回はレポーター14名と大人スタッフ3名が取材のために当館を訪問しました。レポーターの皆さんは各自、展示室で標本や展示を見て回り、その後、私、巖城が6階の学習室で取材を受けました。こどもたちの大半が当館には初めての来館でしたが、取材では「一番危ない寄生虫は?」「寄生虫はみんな害がある?」などよく聞かれることだけでなく、「仕事のやりがいは何ですか?」など私が一瞬考え込んでしまうような質問もあり、いろいろな面から関心を持っていただき嬉しく思いました。取材の成果は2月以降に公開される予定なので、私たちも楽しみに待っています。【巖城】

2024年11月8日

大学生の皆さんが館内インタビュー調査を実施しました

 11月1日に調査のためにご来館になったのは、国際基督教大学で人類学を専攻する学生さんたち。本調査は、同学教授、森木美恵博士ご担当の「人類学質的調査」の授業の一環で、特定の場所で起きていることを人類学的視点で理解するのが目的だそうです。当館が寄生虫(学)に特化した博物館であること、入館無料であること、オリジナルグッズがあることなどの特殊性が学生さんたちの目に留まったようです。
 館内では「当館を訪れた動機」や「当館に求めること」などのインタビューが行われたようで、当館スタッフは「お客様の多様性について」、「お客様へのお声かけ」などについてお答えしました。分析の結果が楽しみです。【倉持】

2024年11月5日

歴史学がご専門の先生方が来館されました

 11月1日、神戸大学国際文化学研究科教授の塚原東吾博士のご案内で、オランダのユトレヒト大学教授、フロイデンタール研究所所長のトワン・ピータース博士、慶応大学経済学部教授の太田 淳博士、東京大学大学院総合文化研究科の大学院生、岡本 隣さんが来館されました。塚原先生はご専門の科学社会学・科学技術史に関する調査のため、これまでにもご来館いただいておりますが、ほかのお三方は初めてのご来館です。ピータース先生は、人獣共通感染症から科学・医療政策など幅の広い研究を展開される方で、太田先生は東南アジア史がご専門、岡本さんは生物学史を専攻されているとのことでした。日本住血吸虫症制圧史や沼田仁吉作の蝋模型にまつわるエピソードなどのお話をしましたが、やはり山口左仲博士の標本と資料にはとりわけ関心をもっていただいたようでした。【倉持】

2024年11月4日

貸し出した資料の展示を見てきました

 「死の貝」(小林照幸(著)文藝春秋 1998年)は、日本の限られた地域に風土病のように蔓延していた、日本住血吸虫症制圧の歴史を描いたドキュメンタリーの名作です。本書が文庫本となり新潮社から発刊されたのを機に、埼玉県戸田市の書店様がキャンペーンを実施しました。
 熱心な担当者の方がご来館になったのが7月の下旬。ミヤイリガイ(日本住血吸虫の中間宿主貝)の標本と、デジタル資料を何点か貸出ましたが、それから約1ヶ月、担当者の方は資料集めに奔走されたようです。8月24日には立派なブースが完成してオープンしました。文庫本「死の貝 日本住血吸虫症との闘い」(新潮文庫)はもちろん、寄生虫、感染症関連の本が多数陳列され、今では入手困難な書籍も関連の資料とともに展示されました。情熱にあふれた取材がおこなわれたことが覗われます。
 キャンペーンが最終日を迎える10月31日の前夜に書店様を訪ねてみました。本への愛情がひしひしと感じられる本屋さん、素敵ですね。【倉持】

2024年10月26日

小学2年生の取材班がご来館になりました

 10月24日、目黒区立不動小学校の2年生、3名からなる取材班がご来館になり、私、倉持が囲み取材を受けました。この取材は、生活科「えがおのひみつ たんけんたい」の一環で、見学や取材を通してまちや人々への愛着を深め、社会の一員としての自分に目覚めること、体験をプレゼンテーションすることで交流する楽しさを感じることが目標です。取材班からは「展示を作る上での工夫」や「寄生虫館創設のいきさつ」など、私としても嬉しいご質問をいただき、引率の先生共々楽しいひとときを過ごしました。【倉持】

2024年10月4日

山口左仲メダルの展示

 2階展示室の山口左仲博士の業績に関する展示の一角に、10月3日から山口左仲メダルを展示しました。これはオーストラリアの寄生虫(吸虫類)研究グループが、山口博士の功績をたたえて今年、創設したもので、吸虫類の分類学に著しく貢献した研究者に授与されます。第1回の受賞者はロンドン自然史博物館(イギリス)のRodney A. Bray博士でした。メダルの写真は当館から提供したものです。
 これを機会に、同じケース内に展示している「虎の巻」(山口博士が先人の論文を手書きで模写した多数のノートの1冊)の開くページも変更しました。新たな展示も楽しんでいただければ幸いです。【巖城】

2024年10月3日

山口左仲博士の論文原図展示を更新しました

 10月2日に2階展示室の「山口左仲博士が論文に使った原図」展示を更新しました。1年ぶりの更新です。今回は1937〜1938年に発表された、魚類に寄生する単生類に関する論文2編の図版の原図を壁面パネルで展示しています。手前のタッチパネルで図版を拡大して見ることができます。中央のアクリルケースには、山口博士が約90年前にキジハタの鰓から採集した単生類 Epibdella (Benedenia) convoluta(現在は Allobedenenia convoluta のシノニム(同種異名)とされる)のプレパラート標本や、掲載された論文の別刷を展示しました。合わせてご覧ください。【巖城】

2024年9月26日

令和6年度博物館実習を実施しました

 去る9月4〜8日、令和6年度の博物館実習を実施しました。今回は8つの大学からそれぞれ1名の実習生を受け入れました。オリエンテーションに続き、図書を日本十進分類法の基づき分類し配架する作業、(一社)路上博物館のアトリエにお邪魔してフォトグラメトリーによる3Dデータ化と3Dプリントの実際、サイエンスコミュニケーション能力を養うためのグループワーク等を実習していただきました。理科系に限ることなく広い分野の実習生が集い、研究員とも交流してたいへん満足していただいたようでした。【倉持】