2019年8月26日

ミニ解説会『いちばん大きな(または小さな)寄生虫は?』を開催


 8月24日(土)に、ミニ解説会『いちばん大きな(または小さな)寄生虫は?』を1階展示室で行いました。今までに知られるいちばん大きな寄生虫は、マッコウクジラに寄生する40メートルの条虫でした。いちばん小さい寄生虫ははっきり決められませんが、熱帯熱マラリア原虫やクリプトスポリジウムを例としてお話しました。午前・午後合わせて62名の方々にお越しいただきました。
 次回は9月21日(土)の予定です。詳しくは当館ウェブサイトでお知らせいたします。 【巖城】

2019年8月25日

臺南大学の黄銘志先生が来館


 8月15日と21日に、台湾の臺南大学の黄銘志先生(Dr. Huang Ming-Chih)が来館されました。黄先生から、サクラエビの寄生性甲殻類 ホロフィリクス・フシフォルミス(Holophryxus fusiformis)の標本をご寄贈いただきました。この寄生虫は1937年に日本で新種記載されて以来、80年振りに台湾で採集され報告された種類で、寄贈標本はこの時に採集されたものです。世界的にも分布が限られるサクラエビの起源の手掛かりにもなるとのことです。 【巖城】

2019年8月11日

山口左仲博士の論文原図展示の入れ替え



















 目黒寄生虫館では、日本の寄生虫分類学の大家である山口左仲博士が残した論文や図版の原稿などの資料を多数保管し、一部を展示室で順次公開しています。
 8月11日に、2階展示室の「山口左仲博士が論文に使った原図」展示の入れ替えを行いました。今回は、両生類に寄生する吸虫類・単生類・条虫類・線虫類と、鳥類に寄生する線虫類の原図を公開しています。
 中央アクリルケースには、約80年前(1941年)に京都のヒキガエルから採集された吸虫 ディプロディスクス(Diplodiscus amphichrus japonicus)のプレパラート標本を展示しています。また、トノサマガエルに寄生する条虫 オフィオテニア(Ophiotaenia ranae)の生活史に関する論文の原稿も展示しています。これらの寄生虫の図版と合わせてご覧ください。
 寄生虫分類学を切り開いた山口博士の研究にかける熱意と、それを支えた助手の画工たちの技を実感していただければ幸いです。【巖城】

2019年8月9日

ミニ解説会『いちばん大きな(または小さな)寄生虫は?』(8/24)開催のお知らせ


 来館者から「いちばん大きな(または小さな)寄生虫は何ですか?」という質問がしばしばあります。今回は、どれほど大きな、または小さな寄生虫がいるのかを紹介し、あわせて寄生虫の体のかたちについてもお話したいと思います。

日時: 8月24日(土)①10:30〜 ②13:00〜 それぞれ10分程度(2回とも同じ内容)
場所: 1階展示室
予約・参加費: 不要
講師: 巖城 隆(当館研究員)

2019年8月7日

石川県で魚類寄生虫の講習会


 8月2日(金)に漁業関係者の方々を対象に石川県漁業協同組合西海支所で行われた、魚の寄生虫に関する講習会に参加してきました。お刺身の中に潜む人体寄生虫のアニサキスや、人に寄生しないものの目について売れなくなる寄生虫について、漁業者の方々が注意すべきことを解説しました。天然の魚に寄生虫がついているのは普通のことで、問題になる寄生虫はそのなかのごく一部です。魚食が敬遠されないように、魚にかかわる人たち(私自身も含めて)が正確な情報や知識を伝えていくことが重要と感じました。 【小川】