2017年8月10日

山口左仲博士の論文原図展示を更新



 8月5日に展示を入れ替えた「山口左仲博士が論文に使った原図」では、新たに寄生性甲殻類の原図を公開しました。山口博士は日本産魚類の寄生性甲殻類の分類にも大きな業績を残しています。日本の寄生虫分類学の道を切り開いた左仲の並外れた研究への熱意と、それを支えた腕の良い画工たちの技を感じ取っていただければ幸いです。
 今回の原図には、人の形に似たヒトガタムシ類の一種(Lernanthropus mugilii*)や、魚の眼球に寄生するメダマイカリムシ類の一種(Phrixocephalus cepolae)もあります。メダマイカリムシは1階の標本棚にも展示中なので、是非あわせてご覧ください。
 中央ケースの展示標本は、ブリに寄生するウオジラミ類(カリグスとも呼ばれる)です。養殖のブリなどに大きな被害を与えることで有名です。 【巖城】

*) 展示では「Lernanthropus mugilis」と表記しましたが、これは山口博士の当時の論文記載に合わせたものです。