2024年1月31日

古代魚シーラカンスの寄生虫 Neodactylodiscus latimeris (Kamegai, 1971)

 当館初代館長の亀谷 了先生は、シーラカンスの鰓に寄生する単生類を発見、新種として発表しました。ご覧いただいている図は、新種のホロタイプ*(MPM Coll. No. 16698)の画像とその線画**です。了先生は、この新種がそれまでに発表されていたどの単生類とも大きく異なることから、この新種のために新しい属、新しい科を設け、それは現在でも変わることなく広く認められています。単生類の系統分類を研究した論文には必ず引用されますが、了先生以来、この寄生虫を見つけた人はいないようです。【倉持】

* 新種の発表に使った標本の中から1つだけ指定されるもので、種を代表する世界で唯一の標本
** Kamegai (1971) [Res. Bull. Meguro Parasit. Mus., (5): 1–5.] より転載、各部位名を和訳