9月5日付のブログでお知らせしましたように、博物館実習を8月26〜30日に実施しました。実習生は学芸員の資格取得を目指す学生さんたちで、大学での専攻は農学、理工学、社会学、芸術学、文芸学、美術学、造形学と実に様々。学生さんどうしの交流も楽しんでいただきました。【倉持】
2階展示室の「山口左仲博士が論文に使った原図」展示が9月2日から新しくなりました。
魚類および鳥類に寄生する吸虫類に関する論文3編(1934年・1935年)の図版から選びました。中央アクリルケースには、京都の、今はもう無い巨椋池(おぐらいけ)のクイナの小腸から、山口博士が約90年前に採集した吸虫類
Echinostoma ralli
のプレパラート標本を展示しました。その掲載論文別刷のコピーも展示しているので、合わせてご覧ください。
今回の展示は、8月26日から30日に行われた博物館実習の一環として、実習生が選んだ図版をパネルにレイアウトし、展示室に設置したものです。実習生の皆さん、お疲れさまでした。【巖城】
「こども霞が関見学デー」は、文部科学省をはじめとした各府省庁等がそれぞれ工夫を凝らしたブースを用意し、子どもたちが夏休みに広く社会を知る体験の機会を提供し、親子の触れ合いを深めるために例年開催されます。今年は去る7月29・30日に実施され、当館は4年連続の出展となりました。文化庁の博物館ブースには他に、JICA横浜海外移住資料館、新宿歴史博物館、泉屋博古館(せんおくはくこかん)・泉屋博古館東京、パナソニック汐留美術館、松岡美術館、横浜市電保存館が出展。標記の通りディープな博物館が出揃いました。両日共に3,000人以上の方々(保護者を含む)にご来場いただいたとのことでした。【倉持】
現在、カエルに寄生するとある線虫を日本各地から集めています。この線虫は、1種が日本中に広く分布すると長い間考えられてきました。しかし、いくつかの研究で、遺伝的、形態的な多様性が高いことが報告されており、実は複数の種に分けられるのではないかと疑われています。私は、この線虫の種分類と遺伝的な多様性ができあがった過程に興味を持ち研究をしています。このような研究では、多くの地点からサンプルを集め、遺伝子や形態を比較する必要があるのです。
この研究の一環で、6月19~26日にかけて、広島県、山口県、福岡県、佐賀県でカエル採集を行いました。採集中は日焼けするような晴れの日があった一方で、ずぶぬれになるような雨の日もあり、なかなか大変でした。主に水田やレンコン畑でカエルを探しました。中国地方では田植えは終わり、稲が成長していましたが、九州では田植えの最中でした。山口県では稲作からレンコン栽培への転換が進んでいるようでした。全国を旅しているとこのような、地域の特徴を肌で感じることができます。採集の方はヌマガエル、トノサマガエル、ツチガエル、ニホンアカガエルを捕まえました。採集したカエルを館に持ち帰り解剖したところ、山口県と佐賀県産のカエルから目的の線虫を得ることができました。【佐田】
| ヌマガエルの卵塊 佐賀県 |
| レンコン畑 山口県 |
5月27〜29日に兵庫県立大学 環境人間研究科・博士後期課程の明尾亮佑さんが、大野善右衛門博士標本コレクション(2025年7月2日の記事参照)の観察と、貸出標本の返却のため来館されました。昨年6月以来、2回目の来館です。
今回は大野コレクションを全般的に調べて、未観察のコウモリ類のノミのほか、未発表のウサギ類のノミの標本などが見つかりました。私(巖城)が個人的にお世話になった研究者の標本もあり、その先生を思い出して大変懐かしくなりました。
タイプ標本も新たに発見されたので、当館の「所蔵タイプ標本一覧」に掲載する予定です。これらの標本が広く活用されることを願っています。 【巖城】