2025年11月22日

マレーシアでのワークショップに参加しました

  11月13~15日にかけて、マレーシア科学大学(USM)の海洋沿岸研究センター (CEMACS)(マレーシア・ペナン)で開催されたワークショップ「海洋の生物多様性研究ワークショップ:海産無脊椎動物の分類と標本の取り扱いについて」(原題は英語)に参加しました。本ワークショップは、(公財)長尾自然環境財団による活動「マレーシアにおける海生無脊椎動物の生物多様性」の一環で、長尾自然環境財団、国立科学博物館、USMの共催で実施されたものです。マレーシア・フィリピン・タイ・日本から、24名が参加しました。
 私(高野)を含む日本からの参加者は、講師を務めました。生物多様性の高い東南アジアの国々において、生物の分類学の普及と、標本作成・管理のノウハウを共有することを目指しています。棘皮動物(ウニ・ヒトデ・クモヒトデなど)と軟体動物(貝類)を材料に、分類体系の解説や、標本の撮影、固定、保存まで一通り行うとともに、分類形質の説明と実際の観察も行いました。さらに、コンピュータを用いた分子系統解析の解説・実践もあり、大変中身の濃い3日間だったと思います。私は、宿主と寄生者の共進化についても研究手法や実例をお話ししました。
 この活動は、2027年度まで続きます。今後も調査やワークショップで、定期的にマレーシアを訪れることになりそうです。【高野】

https://www.nagaofoundation.or.jp/comprehensive/marine-benthic-invertebrates.html

2025年11月12日

小学生によるインタビューを受けました

 去る10月30日、目黒区立不動小学校2年生の生徒さんたちがご来館になり、私(倉持)がインタビューを受けました。これは、生活科「もっと なかよし まちたんけん」の一環で、地域の施設やお店を見学しインタビューすることで、町や町の人々への愛着を深めること、町の人々の気持ち、苦労、工夫に気付き、社会の一員として自覚すること、これらを通して解ったことや考えたことを共有して、友達や町の人々と交流する楽しさを感じること、などを目的に実施されています。
 「どうして寄生虫の研究をしているのですか」「館長をしていて何が大変ですか」などのご質問をいただきました。熱心にメモをとっていただきました。12月には発表会が行われます。どのような発表が聞けるか楽しみです。【倉持】

2025年10月31日

国立研究開発法人 水産研究・教育機構(三重県)の新田理人博士が来館されました

 10月29日に水産研究・教育機構の新田理人博士が来館され、先日発表された研究論文で新種記載された粘液胞子虫のタイプ標本を、当館に登録するためお持ちくださいました。写真で手に持ってくださっているのがその標本です。また、当館の所蔵標本の観察もされました。【巖城】

2025年10月24日

東京大学附属臨海実験所で貝類調査



 10月15~17日にかけ、東京大学の附属臨海実験所(神奈川県三浦市)に滞在しドレッジ調査を行いました。海上の風が強く、調査に出られたのは1日だけでしたが、その日に十分な量のサンプルを得ることができました。実験所に戻った後は、夜遅くまで生物の仕分け作業に没頭です。研究対象の貝も見つかり、実りある3日間となりました。【高野】

2025年9月21日

髙野剛史研究員が日本ベントス学会奨励賞を受賞しました

 日本ベントス学会は、底生生物(=ベントス)を研究する研究者・学生が集う学会です。奨励賞は、ベントス研究において優れた業績(論文や学会発表など)をあげ、同学会活動に大きく貢献した若手研究者に贈られるもので、当館の髙野研究員が2025年奨励賞を受賞しました。彼の研究テーマである寄生性の巻貝類の自然史研究が高く評価されたことになりますが、それ以外にもアニサキス科線虫や深海魚の吸虫の分類など、多様な展開をしていること、博物館で活動していることなども今回の受賞に繋がったものと考えています。実は髙野研究員、日本貝類学会からも奨励賞を受賞されていますので、2度目の受賞となります(2023年6月28日のブログ)。
 髙野さん、おめでとうございます!【倉持】