故 久米清治博士(1915〜2008年)は、東京農工大学農学部獣医学科の教授を務められ、在任中の1948〜1978年に犬糸状虫の生活史を明らかにして、本症予防の道を開いた方です。去る4月2日、久米先生のご子息の久米邦興さんがご来館になり、1972年にアメリカ合衆国犬糸状虫学会から贈られた盾をご寄贈いただきました。今後、常設展示できるよう準備を進めます。このご寄贈は、中垣和英博士(私、倉持が農工大の学生だった時の先生)のご尽力により実現しました。【倉持】
2025年4月9日
2025年4月2日
日本寄生虫学会第94回大会に参加しました
この大会は、大会長:大阪大学微生物病研究所の岩永史朗教授のもと、去る3月18、19日に大阪大学コンベンションホールで開催されました。当館から、髙野、佐田両研究員と私(倉持)が参加し、以下のタイトルで研究発表しました。
佐々木・巖城・倉持ほか:2023年および2024年に関東にて発見されたLeucochloridium属吸虫
髙野・倉持ほか:北西北太平洋の超深海性クサウオ科魚類から得られた吸虫の形態と系統的位置
倉持・髙野:皇居東御苑天神濠で捕獲されたナマズの胃から得られた自由生活性ヒル類、シマイシビルErpobdella japonicaについて
ほかにもシンポジウムが2つ、評議員会・総会をはじめ各種委員会が開かれ、大会前日の3月17日には寄生虫分類形態談話会を主催し、さらに生態学・疫学談話会に出席するなど大忙しの3日間でした。【倉持】
2025年3月7日
北海道大学のサンアルン・カニアチップさんが来館されました
3月5日に、北海道大学大学院獣医学研究科の大学院生 サンアルン・カニアチップさん(Ms. Kanyatip Sangarun)が研修の一環で来館されました。彼女はタイからの留学生で、現在の研究テーマは北海道のエキノコックスの分子疫学です。展示室では、家畜の寄生虫やエキノコックス(多包条虫・単包条虫)の展示だけでなく、多包条虫の中間宿主のエゾヤチネズミから採集された猫条虫の一種(ヒダティゲラ・カミヤイ)にも注目していました。また、現在開催中の「世界顧みられない熱帯病の日 特別写真展」も熱心に見入っていました。
なお、いつもは彼女はプロイ(Ploy、意味は宝石)さんと呼ばれていますが、タイでは本名は長過ぎて覚えられないため、家族や友人の間ではニックネームで呼ぶ習慣があるのだそうです。【巖城】
なお、いつもは彼女はプロイ(Ploy、意味は宝石)さんと呼ばれていますが、タイでは本名は長過ぎて覚えられないため、家族や友人の間ではニックネームで呼ぶ習慣があるのだそうです。【巖城】
2025年3月6日
日本展示学会:2024年度展示学講座に参加しました
この講座は去る2月22・23日、日本各地で展示に携わる職員など40名ほどを集めて、東京国立博物館の黒田記念館(東京都台東区)で開催されました。今回のテーマは「展示のリノベーションを考える」でした。このリノベーションという言葉には、展示のリニューアル(改修)とどまることなく、社会的な要求の変化や、来館される皆様のニーズの拡大と多様化に広く応えるために博物館は生まれ変わる、という意図が込められています。2日間のプログラムは、リノベーションの現在とこれから、リノベーションに向けた展示評価の方法に関する講義、ワークショップ(写真参照)、リノベーションの事例報告などからなりました。多様で高度なデジタル化によりリノベーションを達成した報告の一方で、解説パネルを「手書き」にしたことで来館者が急に増えた事例などは大きな話題となりました。【倉持】
2025年2月15日
ラオスからのお客様をお迎えしました
2月11日、パスツール研究所ラオスのPalita Hansana博士と、マラリア学、寄生虫学、昆虫学センターのSouphaphone Souvannaphasy博士(いずれもラオス保健省の研究機関)がご来館になりました。お二人は現在、国立国際医療研究センター研究所(東京都新宿区)で研修中で、同研究所熱帯医学・マラリア研究部の石上盛敏 熱帯医学研究室長のエスコートで見学にお越しになりました。本国では、マラリアやメコン住血吸虫症の制圧に国際保健機関(WHO)と共に取り組んでいらっしゃいます。日本がいくつかの寄生虫症を克服した方法などに興味を示され、ラオスにも寄生虫の標本を管理する施設を作りたいと話していらっしゃいました。【倉持】
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