2025年8月15日

国際軟体動物会議@サンパウロに参加


 8月3~8日にブラジルのサンパウロで開催された、国際軟体動物会議(World Congress of Malacology)に参加しました。片道30時間を超える長旅でしたが、日本からは9名が参加しました。会場はButantan Institute(写真1,2)で、敷地内にはたくさんの研究所や博物館が立ち並んでいます。ポスター会場が屋外(写真2)なのは初めての経験でした。私(高野)は、最近発見したクモヒトデ類に内部寄生するハナゴウナ科貝類についてポスター発表を行いました。また、ブラジルのハナゴウナ研究者とも初めてお目にかかり、今後の共同研究を含めいろいろお話しすることができました。
 ブラジルは、貝類が関わる寄生虫症の流行地でもあります。本会議でも、マンソン住血吸虫や広東住血線虫に関わる発表が複数ありました(写真3)。欧米開催の時はまず出てこない演題です。会場の脇には、住血吸虫の中間宿主となるヒラマキガイ類の展示もありました(写真4)。
 エクスカーションでは、ブラジルの自然に触れる機会もありました。ハキリアリの行列を見ることができ、大満足です(写真5)。写真6は、滞在したホテル近くの町の様子です。当然、日本とはだいぶ雰囲気が異なり、ぶらぶらするだけでも楽しいものです。【高野】

2025年8月9日

「教員のための博物館の日2025 in 目黒寄生虫館」を開催しました

 本研修は、去る7月28日の休館日に(独)国立科学博物館、(公財)日本博物館協会による共催、そして文部科学省の後援をいただき開催されました。学校の先生方にお集まりいただき、学校教育により博物館を活用していただくのがねらいです。当館は昨年に続いて2回目の開催です。小中学校、高等学校、支援学校、大学まで、首都圏だけでなく遠方からのご参加も含め、午前・午後合わせて24名の先生方にお集まりいただきました。館内ツアー(展示室と収蔵庫)のあとはマサバを用いたアニサキス検査の実習です。この研修が先生方の授業に生かされて、新しい展開に結びつけば幸いです。【倉持】

2025年7月21日

博物館・美術館等保存担当学芸員研修に参加しました

 去る7月7〜11日、私(倉持)は保存担当学芸員研修(上級コース)に参加しました。この研修は、東京文化財研究所(東京都台東区)の主催によるもので、公募により日本各地から集まった36名の学芸員が、最新の保存科学について講義と実習を受けました。保存科学とは、資料を傷めず長期保存するために、損壊(そんかい)の原因を極力除去するための自然科学。そのため研修の内容は、収蔵庫の温度・湿度管理から防犯・防災までどれもだいじな内容でした。中でも特に私が興味を持ったのは、レーザー光線、X線、赤外線などを駆使して、絵の具や接着剤の成分を分析する技術でした。【倉持】

2025年7月17日

対馬で貝類と寄生虫の調査(7/11~14)


 昨年に引き続き、長崎県対馬市で野外調査を行いました。養殖魚に病気をもたらす吸虫の中間宿主となる巻貝の採集が目的です。今回も十分な個体数が得られました。複数地点で調査を実施しましたが、対馬にはどこでもドアが設置してあるユニークな(?)干潟もあります。
 春から初夏にかけての調査シーズンも終盤。今年の前半はこれでひと段落です。【高野】

2025年7月6日

宇都宮市でカエル採集

 6/28に寄生虫調査用のカエル採集のために栃木県宇都宮市へ出かけました。実は5/31にも宇都宮市へ調査に出かけたのですが、大雨で気温が低く、カエルが1匹しか採れませんでした。そこで今回、再挑戦と相成りました。当日はとても暑く、気力十分とはいきませんでしたが、それでも森林に面した水田で、ヒガシニホンアマガエル、トウキョウダルマガエル、ニホンアカガエルを捕まえました。

 持ち帰ったカエルを解剖したところ、目的の種を含む、2種の線虫が得られました。今後も熱中症に気をつけながら採集を続けていきたいと思います。【佐田】