ミヤイリガイは日本住血吸虫の中間宿主として知られ、寄生虫研究者の間で最も有名な巻貝かもしれません。6月14日、山梨県でミヤイリガイの採集をする機会をいただきました。日本住血吸虫の継代・感染実験を行っている研究グループが、実験室内で吸虫を発育させるため、定期的にミヤイリガイを採集しています。今回はそのサンプリングに同行しました。かつて山梨県では、「地方病」の原因として恐れられた日本住血吸虫ですが、今では終息宣言も出ており安全です。一方ミヤイリガイは、日本住血吸虫撲滅の過程で著しく数を減らしてしまいました。研究の推進と自然界での貝の維持。これらの両立が求められます。
私は海の寄生性貝類を対象に研究をしているため、貝のサンプリングはよく実施しますが、生きたミヤイリガイを見たのは初めてです。寄生虫館で研究をしているからこその調査を経験できたと思います。余談ですが、カブトエビもたくさんいて驚きました。【高野】