2025年7月21日

博物館・美術館等保存担当学芸員研修に参加しました

 去る7月7〜11日、私(倉持)は保存担当学芸員研修(上級コース)に参加しました。この研修は、東京文化財研究所(東京都台東区)の主催によるもので、公募により日本各地から集まった36名の学芸員が、最新の保存科学について講義と実習を受けました。保存科学とは、資料を傷めず長期保存するために、損壊(そんかい)の原因を極力除去するための自然科学。そのため研修の内容は、収蔵庫の温度・湿度管理から防犯・防災までどれもだいじな内容でした。中でも特に私が興味を持ったのは、レーザー光線、X線、赤外線などを駆使して、絵の具や接着剤の成分を分析する技術でした。【倉持】

2025年7月17日

対馬で貝類と寄生虫の調査(7/11~14)


 昨年に引き続き、長崎県対馬市で野外調査を行いました。養殖魚に病気をもたらす吸虫の中間宿主となる巻貝の採集が目的です。今回も十分な個体数が得られました。複数地点で調査を実施しましたが、対馬にはどこでもドアが設置してあるユニークな(?)干潟もあります。
 春から初夏にかけての調査シーズンも終盤。今年の前半はこれでひと段落です。【高野】

2025年7月6日

宇都宮市でカエル採集

 6/28に寄生虫調査用のカエル採集のために栃木県宇都宮市へ出かけました。実は5/31にも宇都宮市へ調査に出かけたのですが、大雨で気温が低く、カエルが1匹しか採れませんでした。そこで今回、再挑戦と相成りました。当日はとても暑く、気力十分とはいきませんでしたが、それでも森林に面した水田で、ヒガシニホンアマガエル、トウキョウダルマガエル、ニホンアカガエルを捕まえました。

 持ち帰ったカエルを解剖したところ、目的の種を含む、2種の線虫が得られました。今後も熱中症に気をつけながら採集を続けていきたいと思います。【佐田】



2025年7月2日

兵庫県立大学 環境人間研究科の明尾亮佑さんが来館されました

 6月25〜27日に兵庫県立大学 環境人間研究科・博士前期課程の明尾亮佑さんが,大野善右衛門博士の標本コレクション閲覧のため来館されました。
 故・大野博士は、哺乳類や鳥類の外部寄生虫類(ノミ、シラミ、ダニなど)について著名な業績のある研究者です。また、大野博士は1974年から当館に研究員として在籍され、当館にプレパラート標本約12,000点を寄贈されています。
 明尾さんは、コウモリのノミ類の標本を3日に渡って熱心に観察されました。日本では、ノミ類の分類学的研究は1960年代以降あまり進んでおらず、現在、ノミ類を専門とする研究者は大変少ないそうです。当館所蔵の標本が時を経て若い研究者に活用され、研究が綿々と引き継がれる様を見て、大変嬉しく思いました。 【巖城】