日本住血吸虫症はかつて、九州の筑後川流域、片山地方(現在の広島・岡山県境付近)、山梨県甲府盆地などに流行し、古くから人々に恐れられていた恐ろしく悲惨な風土病でした。久留米大学医学部の感染医学講座真核微生物学部門(旧寄生虫学講座)には、初代教授の岡部浩洋(こうよう)博士(在任:昭和24(1949)〜昭和49(1974)年)以来の、本症制圧に至る貴重な資料が数多く遺されていました。今回、現職の井上雅広教授のご尽力とご厚意により、これら資料を当館にご寄贈いただきました。去る8月28日に梱包作業、翌日久留米を出発、9月1日に当館に無事到着しました。この先、これら資料を保存しつつデジタル化を進め、公開して多くの方々に利用していただくことを目指します。
なおこのプロジェクトは、(公財)関西・大阪二十一世紀協会による2025年度「万博記念基金助成金」をいただいて実現しました。【倉持】