2026年9月28日

ドイツ・ロストック大学のハリー・パーム博士が来館されました


Palm博士と小川名誉館長、長澤博士
 

  9月15〜20日に、ドイツ・ロストック大学のハリー・パーム博士(Dr. Harry W. Palm)が来館されました。パーム博士は四吻目(Trypanorhyncha)の条虫類の研究の第一人者で、20年前と17年前にも当館所蔵標本の観察のため来訪されており、今回が3度目の来館です。

 四吻目条虫の専門家は日本にはほとんどおらず、日本周辺のこの条虫類の状況はほぼ知られていません。その解明がパーム博士の20年前からの目的です。そのために、多種多様な魚類の寄生虫標本の蓄積である山口左仲博士標本コレクションは大変重要です。
 パーム博士は事前に準備した400枚以上の標本について次々と観察と種同定を行い、ノートPCの論文原稿に同定結果や標本データをすぐに書き込むという、その手際の良さは見事なものでした。それらの観察を終えると、標本庫で未登録標本から四吻目と思われるものを選び出し、更に50枚以上の標本を観察しました。古い標本のラベルやカードの多くは日本語の手書きなので、それを読んで訳すという作業で私もお手伝いしました。
 9月19日には小川和夫名誉館長と、元・広島大学教授の長澤和也博士がパーム博士に会うため来館されました。お二人は魚類寄生虫の専門家です。長澤博士はパーム博士が学生の頃からのお知り合いで、今回は20年ぶりの対面でした。小川名誉館長の条虫標本を観察しながら、四吻目の種同定のポイントを教わりました。
 当館の標本が関わった論文は近いうちに投稿される予定です。また、パーム博士は数年内に四吻目条虫の全種を載せた本を書くつもりということなので、これも大変楽しみです。【巖城】