2018年8月31日

韓国大邱(テグ)の世界寄生虫会議で発表しました


 8月19日から24日に大邱で行われた第14回世界寄生虫会議で、クロマグロに寄生する住血吸虫カルジコラ オリエンタリスの中間宿主内の発育について発表しました。この寄生虫は中間宿主であるフタエラフサゴカイ(多毛類に属す環形動物の一種)の体腔内で増殖して、大量のスポロシスト幼生になります(写真右はスポロシストで充満したゴカイの断面像)。スポロシストの内部はマグロへの感染ステージであるセルカリアで充満しています。寄生虫に栄養を奪われたゴカイは成熟できなくなります(寄生去勢といいます)。
 日本の養殖クロマグロには心臓やエラの血管に寄生する住血吸虫が3種知られています。どの種も虫卵がマグロのエラの毛細血管を詰まらせ、マグロを殺すこともある有害寄生虫です。現在、近畿大学と共同で被害軽減のための対策研究をしています。 【小川】