去る5月18日は、2025年「国際博物館の日」。当館ではこれを記念して17日・18日の両日に「ミニ解説会」を開催しました。巖城研究室長、佐田研究員、私 倉持が交代でそれぞれが得意とする(好みの?)寄生虫談義を披露しました(解説の内容は5月11日公開の研究員ブログをご参照ください)。10分程度の解説会を6回開きました結果、合わせて204人の方々にご参加いただきました。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。【倉持】
2025年5月21日
日本貝類学会大会&共同研究打合せ
5月17~18日、日本貝類学会令和7年度大会が東京家政学院で開催されました(写真左)。私(高野)は「インド西太平洋におけるウニヤドリニナ属Vitreobalcis(ハナゴウナ科)の多様性」という題で口頭発表しました。また今年から評議員に選出されたため、前日16日には5時間にわたる会議に出席しました。
学会後は京都大学の後藤龍太郎助教と、大学院生の山下正太郎さんが共同研究に関する打合せと作業で来館しました。山下さんは二日間にわたり滞在し、その間巻貝類の記載に必要な情報とデータ、論文用の写真の撮り方などをお教えし(写真右)、今後の方針を話し合いました。進展が楽しみです。【高野】
カエル採集行
去る5月10日に寄生虫調査用のカエル標本採集のために、埼玉県小川町へ出かけました。当日は、水田や仙元山登山道沿いに流れる川を調査しました。しかし残念なことに、カエルはあまり活動しておらず、ヌマガエルが1匹とれただけでした。
カエル採集には時期が早かったのかもしれません。なお、ヌマガエルは主に西日本や奄美・沖縄諸島に分布しており、関東へは近年侵入しました。
持ち帰ったヌマカエルを解剖したところ、線虫が1種類得られました。欲しかった線虫なのでよかったです。今後も気長に調査を続けたいと思います。【佐田】
2025年5月11日
2025年「国際博物館の日」記念事業で「ミニ解説会」を開催します
来たる5月18日(日)は、ICOM(国際博物館会議)が提唱する「国際博物館の日」です。世界中の博物館等で、この日を中心に様々なイベントが実施されています。
当館では館長と研究員による「ミニ解説会」(各回10分程度)を1日3回、2日間にわたって行います。場所は1階展示室。予約・参加費はともに不要です。時間になりましたら直接お集まりください。
(話すテーマは両日ともに同じです)
各回のテーマと概要、担当者は以下の通りです。
5月17日(土)
11:00~ 「日本に何種いる?ロイコクロリジウム」 巖城 隆 研究室長:巻貝の触角の中でカラフルな模様の幼虫がピコピコ動くことで知られる寄生虫ロイコクロリジウム。実は、日本に何種も生息することがわかってきました。
13:00~ 「小笠原諸島で魚の寄生虫を調べる」 倉持 利明 館長:小笠原諸島父島周辺の魚に寄生する二生吸虫類を調べました。調査はまだまだ不十分で、その多様性は解明されていませんが、日本各地や海外からの記録と比べながら解説します。
15:00~ 「ヘビの寄生虫 シタムシについて」 佐田 直也 研究員:今年は巳年です。今年72周年を迎える当館も巳年です。そこでヘビに寄生するシタムシという生き物について解説します。
5月18日(日)
11:00~「小笠原諸島で魚の寄生虫を調べる」 倉持 利明 館長
13:00~「ヘビの寄生虫 シタムシについて」 佐田 直也 研究員
15:00~「日本に何種いる?ロイコクロリジウム」 巖城 隆 研究室長
なお、国内で行われる他の記念事業はこちらからご覧いただけます。
https://www.j-muse.or.jp/project/international-museum/
(公益財団法人日本博物館協会)
2025年5月10日
目黒マルシェ「初夏祭」に参加しました
目黒マルシェは、目黒通りの大鳥神社交差点~清水交差点間の歩道で、年に2回開かれる地域活性プロジェクト。その13回目となる「初夏祭」が5月3〜4日に開かれました。両日とも晴天に恵まれマルシェは大盛況。当館も開館時間を午後6時まで延長し、「おしゃべり博物館」で参加しました。この企画は時間延長の1時間、私(倉持)ほか研究職員が展示室で来館者の皆さんからご質問をいただいたり、ご意見を伺ったり交流(おしゃべり)しようというものです。「人の役に立つ寄生虫はいないの?」というご質問を複数の方からいただいたのには驚きました。当館での研究ではありませんが、現在進行中の研究などをからめてお答えしました。【倉持】
2025年5月9日
周 洵(しゅうじゅん)博士がご来館になりました
去る5月3日、台湾の国立中興大学獣医学系助理教授、周 洵博士がご来館になり、台湾の寄生虫事情、寄生虫学の研究事情などについてお話しいただきました。周先生は中興大学をご卒業のあと、当館とも親しい日本獣医生命科学大学の獣医寄生虫学研究室で学位(博士号)を取得され、母校に助理教授(日本の助教にあたる)として着任されたとのこと。エキゾチックアニマルの臨床や寄生虫研究に取り組んでいらっしゃいますが、生物多様性の宝庫台湾とあって、研究テーマには事欠かず日常的に人手不足だそうです。当館の研究員は興味津々で、今後の共同研究も視野に入れて活発に議論しました。【倉持】
2025年5月5日
佐世保で吸虫の中間宿主貝採集
4月27日から29日にかけて、魚類の病気を引き起こす寄生虫の中間宿主となる巻貝を得るため、長崎県佐世保市へ調査に出かけました。当館のほか、近畿大、東大、京大、長崎県水産試験場の合同チームです。この魚病について、今年から科学研究費助成事業によるプロジェクトが始まりました。サンプルを得るのは研究の要になります。貝は無事に得られ、これから暫く飼育して、感染の有無を確認していきます。【高野】
2025年5月4日
千葉県木更津市でカエル採集
4/26に寄生虫調査用のカエル標本採集のために、千葉県木更津市の小櫃川下流域に出かけました。小櫃川流域は、かつて日本住血吸虫症が流行していたことで知られます。現在では流行は終息しており、安全に調査活動ができます。
当日は曇りで気温も低く、カエルもあまり活動していませんでした。それでも、ヒガシニホンアマガエルを2匹だけなんとか捕まえました。なお、アマガエルは最近の研究で、形態的及び遺伝的に東日本集団と西日本集団に分かれていることが判明し、東日本集団が「ヒガシニホンアマガエル」と名付けられました。
後日カエルを解剖しましたが、寄生虫は全くとれませんでした。今後も根気強く、調査を続けていきたいと思います【佐田】
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小櫃川の様子 |
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