2024年12月26日
鹿児島大学の上野大輔先生が来館されました
12月21日に鹿児島大学大学院理工学研究科の上野大輔教授が、当館から2013年に貸し出された山口左仲博士の甲殻類標本の返却のため来館されました。上野先生は日本のみならず世界中を飛び回っていらして、当館には久々のご訪問でしたので、スタッフとも色々な研究打合せや情報交換を行いました。山口博士の甲殻類標本は経年変化のため、現状では観察困難なものが多いですが、上野先生のご協力によって今後、復元と整理を進められることが期待されます。 【巖城】
2024年11月8日
大学生の皆さんが館内インタビュー調査を実施しました
11月1日に調査のためにご来館になったのは、国際基督教大学で人類学を専攻する学生さんたち。本調査は、同学教授、森木美恵博士ご担当の「人類学質的調査」の授業の一環で、特定の場所で起きていることを人類学的視点で理解するのが目的だそうです。当館が寄生虫(学)に特化した博物館であること、入館無料であること、オリジナルグッズがあることなどの特殊性が学生さんたちの目に留まったようです。
館内では「当館を訪れた動機」や「当館に求めること」などのインタビューが行われたようで、当館スタッフは「お客様の多様性について」、「お客様へのお声かけ」などについてお答えしました。分析の結果が楽しみです。【倉持】
館内では「当館を訪れた動機」や「当館に求めること」などのインタビューが行われたようで、当館スタッフは「お客様の多様性について」、「お客様へのお声かけ」などについてお答えしました。分析の結果が楽しみです。【倉持】
2024年11月7日
10月28日、高校で出前実習を行いました
東京都立赤羽北桜高等学校は、家庭学科(保育・栄養科、調理科)、福祉学科(介護福祉科)からなるユニークな学校。2021(令和3)年に開校した新設校です。今回の出前実習は、当館で開催した「教員のための博物館の日」(7月28日)に、調理科の先生が参加してくださったことがご縁となり実現しました。調理を勉強する生徒さんたちですから、食中毒のリスク管理は必須ということで、アニサキス幼虫による食中毒(アニサキス症)を中心に講義とアニサキス検査の実習を行いました。実習のあとの質疑応答も大いに盛り上がり、当館による活動の意義が生徒さんたちに届いたものと思っております。【倉持】
2024年11月5日
歴史学がご専門の先生方が来館されました
11月1日、神戸大学国際文化学研究科教授の塚原東吾博士のご案内で、オランダのユトレヒト大学教授、フロイデンタール研究所所長のトワン・ピータース博士、慶応大学経済学部教授の太田 淳博士、東京大学大学院総合文化研究科の大学院生、岡本 隣さんが来館されました。塚原先生はご専門の科学社会学・科学技術史に関する調査のため、これまでにもご来館いただいておりますが、ほかのお三方は初めてのご来館です。ピータース先生は、人獣共通感染症から科学・医療政策など幅の広い研究を展開される方で、太田先生は東南アジア史がご専門、岡本さんは生物学史を専攻されているとのことでした。日本住血吸虫症制圧史や沼田仁吉作の蝋模型にまつわるエピソードなどのお話をしましたが、やはり山口左仲博士の標本と資料にはとりわけ関心をもっていただいたようでした。【倉持】
2024年11月4日
貸し出した資料の展示を見てきました
「死の貝」(小林照幸(著)文藝春秋 1998年)は、日本の限られた地域に風土病のように蔓延していた、日本住血吸虫症制圧の歴史を描いたドキュメンタリーの名作です。本書が文庫本となり新潮社から発刊されたのを機に、埼玉県戸田市の書店様がキャンペーンを実施しました。
熱心な担当者の方がご来館になったのが7月の下旬。ミヤイリガイ(日本住血吸虫の中間宿主貝)の標本と、デジタル資料を何点か貸出ましたが、それから約1ヶ月、担当者の方は資料集めに奔走されたようです。8月24日には立派なブースが完成してオープンしました。文庫本「死の貝 日本住血吸虫症との闘い」(新潮文庫)はもちろん、寄生虫、感染症関連の本が多数陳列され、今では入手困難な書籍も関連の資料とともに展示されました。情熱にあふれた取材がおこなわれたことが覗われます。
キャンペーンが最終日を迎える10月31日の前夜に書店様を訪ねてみました。本への愛情がひしひしと感じられる本屋さん、素敵ですね。【倉持】
熱心な担当者の方がご来館になったのが7月の下旬。ミヤイリガイ(日本住血吸虫の中間宿主貝)の標本と、デジタル資料を何点か貸出ましたが、それから約1ヶ月、担当者の方は資料集めに奔走されたようです。8月24日には立派なブースが完成してオープンしました。文庫本「死の貝 日本住血吸虫症との闘い」(新潮文庫)はもちろん、寄生虫、感染症関連の本が多数陳列され、今では入手困難な書籍も関連の資料とともに展示されました。情熱にあふれた取材がおこなわれたことが覗われます。
キャンペーンが最終日を迎える10月31日の前夜に書店様を訪ねてみました。本への愛情がひしひしと感じられる本屋さん、素敵ですね。【倉持】
2024年11月2日
The 5th Asian Marine Biology Symposium(第5回アジア海洋生物シンポジウム)で発表
このシンポジウムは10月28日~30日にタイのバンコクで開催され、私(高野)は「Diversity of eulimid gastropods parasitizing the black sea cucumbers Holothuria atra and H. leucospilota in the West Pacific(西太平洋産クロナマコおよびニセクロナマコに寄生するハナゴウナ科腹足類の多様性)」という題でポスター発表を行いました。以前は定期的に開催されていた学会ですが、コロナ禍の影響でだいぶ間が空いてしまいました。日本や開催国タイをはじめ8か国から150名以上の研究者が集い、研究発表・情報交換を行いました。貝類に寄生する吸虫の発表もあり興味深かったです。色々な方とお話ししましたが、今後の国際共同研究のきっかけになればと思います。
空き時間には会場近くの市場を巡ってどのような魚介類が売られているか視察(?)してきました。やはり日本とはだいぶ異なり、淡水魚と甲殻類、イカ、干潟の貝類が中心でした。【高野】
2024年10月31日
白陵高校(兵庫県)の神尾祐輔先生が来館されました
10月25日と26日午前に、兵庫県の白陵高校の神尾祐輔先生が標本観察のために来館され、当館所蔵と国立科学博物館所蔵の単生類の標本の観察、写真撮影やスケッチを行いました。当日は朝5時に家を出発されたそうで、遠路はるばるお疲れさまでした。【巖城】
2024年10月26日
小学2年生の取材班がご来館になりました
10月24日、目黒区立不動小学校の2年生、3名からなる取材班がご来館になり、私、倉持が囲み取材を受けました。この取材は、生活科「えがおのひみつ たんけんたい」の一環で、見学や取材を通してまちや人々への愛着を深め、社会の一員としての自分に目覚めること、体験をプレゼンテーションすることで交流する楽しさを感じることが目標です。取材班からは「展示を作る上での工夫」や「寄生虫館創設のいきさつ」など、私としても嬉しいご質問をいただき、引率の先生共々楽しいひとときを過ごしました。【倉持】
2024年10月25日
第83回日本寄生虫学会東日本支部大会・第75回日本衛生動物学会東日本支部大会合同大会に参加しました
去る10月12〜13日に東京大学弥生キャンパスで開催された、日本寄生虫学会と日本衛生動物学会の合同支部大会に参加しました。本大会で私、倉持は、新倉 保教授(麻布大学)、三條場千寿准教授(東京大学)とともに共同大会長を務め、当館の研究室長、研究員は大会の運営に携わりました。また、倉持・巖城・髙野・佐田ほかによる「数十年の経過を経て発症した孤虫症の1症例」を発表しました。
さらに当館は、市民公開講座「顧みられない熱帯病(NTDs)の対策・制圧において人文学は何ができるか?」を「感染症アーカイヴズ」と共催し、学会員以外の方々も含む多くの皆さんに感染症学と人文学との協働の必要性を提案しました。【倉持】
さらに当館は、市民公開講座「顧みられない熱帯病(NTDs)の対策・制圧において人文学は何ができるか?」を「感染症アーカイヴズ」と共催し、学会員以外の方々も含む多くの皆さんに感染症学と人文学との協働の必要性を提案しました。【倉持】
2024年10月4日
山口左仲メダルの展示
2階展示室の山口左仲博士の業績に関する展示の一角に、10月3日から山口左仲メダルを展示しました。これはオーストラリアの寄生虫(吸虫類)研究グループが、山口博士の功績をたたえて今年、創設したもので、吸虫類の分類学に著しく貢献した研究者に授与されます。第1回の受賞者はロンドン自然史博物館(イギリス)のRodney A. Bray博士でした。メダルの写真は当館から提供したものです。
これを機会に、同じケース内に展示している「虎の巻」(山口博士が先人の論文を手書きで模写した多数のノートの1冊)の開くページも変更しました。新たな展示も楽しんでいただければ幸いです。【巖城】
これを機会に、同じケース内に展示している「虎の巻」(山口博士が先人の論文を手書きで模写した多数のノートの1冊)の開くページも変更しました。新たな展示も楽しんでいただければ幸いです。【巖城】
2024年10月3日
山口左仲博士の論文原図展示を更新しました
10月2日に2階展示室の「山口左仲博士が論文に使った原図」展示を更新しました。1年ぶりの更新です。今回は1937〜1938年に発表された、魚類に寄生する単生類に関する論文2編の図版の原図を壁面パネルで展示しています。手前のタッチパネルで図版を拡大して見ることができます。中央のアクリルケースには、山口博士が約90年前にキジハタの鰓から採集した単生類 Epibdella (Benedenia) convoluta(現在は Allobedenenia convoluta のシノニム(同種異名)とされる)のプレパラート標本や、掲載された論文の別刷を展示しました。合わせてご覧ください。【巖城】
2024年9月26日
令和6年度博物館実習を実施しました
去る9月4〜8日、令和6年度の博物館実習を実施しました。今回は8つの大学からそれぞれ1名の実習生を受け入れました。オリエンテーションに続き、図書を日本十進分類法の基づき分類し配架する作業、(一社)路上博物館のアトリエにお邪魔してフォトグラメトリーによる3Dデータ化と3Dプリントの実際、サイエンスコミュニケーション能力を養うためのグループワーク等を実習していただきました。理科系に限ることなく広い分野の実習生が集い、研究員とも交流してたいへん満足していただいたようでした。【倉持】
2024年9月5日
E-Park タンキュウ タイケン サマー「自由研究ゼミ 探求する学びを体験しよう」に参加しました
E-Parkは、品川区西五反田にあるスケボーエリアやボルタリングウォールを備えた公園。このイベントは、EASE&(一社)めぐもりの主催、品川区の後援により、夏休みも終わりに近い8月24日に開催されました。集まった子供たちは、水てっぽう合戦やすいか割りを楽しみながら二つの「自由研究ゼミ」を聞くという趣向です。
私は「世にも不思議な、寄生虫の世界」というお題目をいただき、自由研究には少し早いかな?と思わせる子供たちが多い中、自由研究攻略法なども披露しました。【倉持】
私は「世にも不思議な、寄生虫の世界」というお題目をいただき、自由研究には少し早いかな?と思わせる子供たちが多い中、自由研究攻略法なども披露しました。【倉持】
2024年8月31日
北海道大学のマッケンジー・クァク博士が来館されました
北海道大学大学院獣医学研究科のマッケンジー・クァク博士(Dr. Mackenzie L. Kwak)が8月23日に、新種のマダニ類2種のタイプ標本(模式標本)の寄贈・登録のため来館されました。マダニ類の宿主は沖縄のカメと、カンボジアのコウモリです。
寄生虫に限らず、新種動物のタイプ標本は、標本を適切に維持管理する研究機関に供託すべきことが勧告されています。クァク博士は「国内には他にも大きな研究機関はあるが、寄生虫研究者が複数いる専門博物館にこの標本を登録したい」と言ってくださいました。大変光栄なことです。 【巖城】
寄生虫に限らず、新種動物のタイプ標本は、標本を適切に維持管理する研究機関に供託すべきことが勧告されています。クァク博士は「国内には他にも大きな研究機関はあるが、寄生虫研究者が複数いる専門博物館にこの標本を登録したい」と言ってくださいました。大変光栄なことです。 【巖城】
2024年8月24日
日本海裂頭条虫の液浸標本をご寄贈いただきました
今回ご寄贈いただいた標本は、2013年に患者さんから駆虫により採取されたもので、長さ10.62 mのものと11.75 mのもの2個体です。香川大学医学部、国際医動物学講座の新井明治先生のご厚意と、寄生虫感染予防の啓発のために利用してほしいとの想いから当館にお声かけいただきました。当館で展示している標本(8.8 m)よりも長いことにお気づきでしょうか。
去る8月19日に私、倉持が香川大学に赴き、新井先生とともに梱包作業を行いました。翌20日には運送業者の特別便で香川を出発。22日に当館に到着しました。標本が乾燥したり、ちぎれたりといった事故もなく輸送は完璧でした。この先、皆さんにどのようにご覧に入れるか検討して参ります。新井先生には重ねて御礼申し上げます。 【倉持】
去る8月19日に私、倉持が香川大学に赴き、新井先生とともに梱包作業を行いました。翌20日には運送業者の特別便で香川を出発。22日に当館に到着しました。標本が乾燥したり、ちぎれたりといった事故もなく輸送は完璧でした。この先、皆さんにどのようにご覧に入れるか検討して参ります。新井先生には重ねて御礼申し上げます。 【倉持】
2024年8月17日
滋賀県立大学の浦部美佐子先生が来館されました
8月10日に滋賀県立大学 環境科学部環境生態学科 教授の浦部美佐子先生が当館所蔵標本(尾崎佳正博士・山口左仲博士の標本コレクション)の観察と、貸出標本返却のため来館されました。日本在来と外来のカメに寄生する吸虫類の形態と分類について比較研究中ですが、在来種のカメが希少になり、寄生虫も入手困難なため苦心していらっしゃるとのことでした。 【巖城】
2024年8月16日
「こども霞が関見学デー」に出展しました
このイベントは、28の府省庁などが思い思いのプログラムを用意して、お子さん達が夏休み中に社会に触れ体験するために開かれるものです。去る8月7・8日に開かれた霞ヶ関の文部科学省会場には、過去最高となる約5千人(保護者を含む)もの参加者を迎えました。
当館は、文化庁主催「夏休み博物館体験!~みんなが知らないディープな博物館の世界~」に出展しました。昨年に続く2回目の出展で、寄生虫の標本展示とマサバのアニサキス検査をデモンストレーションしました。マサバを解剖して、当館の研究者とともに内臓や筋肉からアニサキスをさがします。見つかると歓声が上がり、中には「かわいい!」の声も。安全なお刺身の食べ方や、かつては多くの人々が罹っていた寄生虫病について解説しました。【倉持】
当館は、文化庁主催「夏休み博物館体験!~みんなが知らないディープな博物館の世界~」に出展しました。昨年に続く2回目の出展で、寄生虫の標本展示とマサバのアニサキス検査をデモンストレーションしました。マサバを解剖して、当館の研究者とともに内臓や筋肉からアニサキスをさがします。見つかると歓声が上がり、中には「かわいい!」の声も。安全なお刺身の食べ方や、かつては多くの人々が罹っていた寄生虫病について解説しました。【倉持】
2024年8月15日
まちまるごと下五(=下目黒5丁目)キャンパス企画「目黒寄生虫館ナイトツアー」を実施しました
本イベント(7月26日・27日、8月3日・4日の閉館後)は、下目黒五丁目自治会主催、目黒原町会共催のもと「令和6年度地域の底力発展助成」の対象事業として行われました。これまで当館は、地域連携強化、地元に根ざした博物館作りを心がけてきましたが、意外にも地元の方々にご覧頂いていないことに気づきました。そこで、夏休み中のお子さん達とそのご家族向けのイベントを企画することにしました。夏休みの自由研究攻略法なども交えながら私、倉持が展示室をご案内し、巖城研究室長による非公開エリア(収蔵庫)見学も実施しました。計4回実施したイベントはいずれも満員。オリジナルグッズのお土産までもらって大満足の様子でした。【倉持】
2024年7月29日
東京都で初記録 ロイコクロリジウムの幼虫を展示して1週間
ロイコクロリジウム属吸虫の幼虫は、オカモノアラガイの触角内に寄生して活発に運動します。動くイモムシのように見せることで、鳥(終宿主)に見つけられやすくするという生態がよく知られ、同時にちょっとカワイイその姿が人気の寄生虫です。
去る7月18日朝、「東京都でロイコクロリジウムが見つかったので寄生虫館で展示して欲しい」と、本属吸虫の研究でトップを行く研究仲間から連絡が入りました。発見したのは都内に住む中学生。彼のSNS上の記事を、研究者は見逃さなかった。当方は受入準備を整えて続報を待ちます。
翌19日には、貝をご寄贈いただき、発見者とともに研究を進め、私(倉持)が直接お目にかかって貝をいただくことに。20日には待ち合わせ場所の位置確認、電車と路線バスの時刻表をチェック、展示の準備完了。21日朝、発見者と合流、保冷剤で冷やしながら寄生虫館に到着し、午後に展示を開始しました。
こうして展示が始まり1週間がたちました。皆様のご来館をお待ちしております。【倉持】
去る7月18日朝、「東京都でロイコクロリジウムが見つかったので寄生虫館で展示して欲しい」と、本属吸虫の研究でトップを行く研究仲間から連絡が入りました。発見したのは都内に住む中学生。彼のSNS上の記事を、研究者は見逃さなかった。当方は受入準備を整えて続報を待ちます。
翌19日には、貝をご寄贈いただき、発見者とともに研究を進め、私(倉持)が直接お目にかかって貝をいただくことに。20日には待ち合わせ場所の位置確認、電車と路線バスの時刻表をチェック、展示の準備完了。21日朝、発見者と合流、保冷剤で冷やしながら寄生虫館に到着し、午後に展示を開始しました。
こうして展示が始まり1週間がたちました。皆様のご来館をお待ちしております。【倉持】
ロイコクロリジウムQ&Aは、こちらのページからご覧ください。
https://www.kiseichu.org/leucochloridium
2024年7月3日
沖縄でヒトデの調査と実験
2024年6月20日
地元のイベント「まちまるごと下五(=下目黒5丁目)キャンパス」にゲスト出演しました
このイベントは目黒区の地域活動団体、不動プロボノネットワークと地元の町内会との共同開催によるもので、「地元のまちが学びの場!」をスローガンに、社会課題とSDGsについて学び、多様な考え方や持続可能な社会について考えるきっかけづくりを目指します。今回(6月9日)は、海洋プラスチック問題に迫るドキュメンタリー映画「プラスチックの海」(クレイグ・リーソン監督・2016年)を観たあと、私が海洋汚染の話題をからめながら、珊瑚礁や南極海、深海を例に生物どうし関わり合いについてご紹介しました。
小さなお子様からお年寄りまで、70名以上のご参加をいただきました。「海をもっとたいせつにしようよ」というメッセージは届いたでしょうか。 【倉持】
小さなお子様からお年寄りまで、70名以上のご参加をいただきました。「海をもっとたいせつにしようよ」というメッセージは届いたでしょうか。 【倉持】
2024年6月19日
顧みられない熱帯病(NTDs)がご専門の先生方がご来館になりました
去る6月14日、四津里英先生と吉野康恵先生がご来館になりました。四津先生は、米国ニューオリンズのテューレン大学で熱帯医学教室の准教授を務める傍ら、NPO法人クローバーヘルス・インターナショナルを主催し、世界保健機関(WHO)でNTDsのひとつハンセン病の征圧に力を注ぐ皮膚科のドクター。吉野先生は長崎大学熱帯医学・グローバルヘルス研究科の客員研究員で、都立荏原病院の看護師さんです。一時帰国中の四津先生はお忙しい日程の中、以前ともに仕事をされていた吉野先生をお誘いいただいてのご来館です。NTDsの制圧、制圧に向けての教育などについて意見交換し、収蔵庫にご案内して標本・資料の保管状況を視察していただきました。 【倉持】
2024年6月13日
日本大学の松本淳先生と医動物学研究室の皆さんが来館されました
日本大学 生物資源科学部獣医学科 医動物学研究室 教授の松本 淳先生と専任講師の増田 絢先生、研究室の皆さんとネパールからの研修生の計10名が6月8日に見学のため来館されました。展示室を見ていただいた後、地下や4階の標本庫・書庫・実験室などをご案内し、当館の行なっている資料収集・保管と、研究についてもお話ししました。【巖城】
2024年6月12日
台湾国立成功大学の先生方がご来館になりました
去る6月6日、辛致煒(シン・ジューウェイ)教授、王浩文(ワン・ハオヴェン)教授、黃仲菁(フワン・チュンチン)助教授がご来館になりました。先生方はそれぞれ、寄生虫学、鯨類学、教育学がご専門です。館内をご見学いただいたあと収蔵庫にご案内し、さらに研究員との意見交換を行いました。とりわけ、公益財団法人という当館の運営形態に興味を示されたようです。
【倉持】
【倉持】
2024年6月8日
対馬で吸虫の中間宿主採集
6月4日から5日にかけて、共同研究者の方々とともに長崎県対馬市で野外調査を行いました。本調査は、養殖魚に悪影響のある吸虫の中間宿主となる貝の採集が目的でした。得られた貝は暫く飼育し、寄生虫の幼虫が放出されるかを観察します。幼虫が得られれば、魚への感染実験等を進めていく予定です。【高野】
2024年5月9日
【予告】「国際博物館の日」記念事業(5/11~)
来たる5月18日(土)は、ICOM(国際博物館会議)が提唱する「国際博物館の日」です。毎年の共通テーマをもとに、活動に賛同する世界中の博物館等でこの日を中心に様々なイベントが開催されます。今年のテーマは、「学びと研究のための博物館」。これに合わせて、当館でも2つの企画を実施します。この機会に是非目黒寄生虫館へお越しください。
①ミニ解説会
当館の研究員と館長によるミニ解説会(各回10分程度)を4回にわたって行います。
場所は1階展示室。予約・参加費はともに不要です。時間になりましたら直接お集まりください。
各回のテーマと担当者は以下の通りです。
5月18日(土)
11:00~ 「深海の寄生虫」 研究員 髙野 剛史
「寄生」は地球上のあらゆる環境でみられる現象で、深海も例外ではありません。本解説会では、滅多に目にすることのない深海性の寄生虫を、実際の調査風景とともにご紹介します。
13:30~ 「日本住血吸虫症と闘った人たち」 館長 倉持 利明
日本は、日本住血吸虫症を克服した世界で唯一の国であることをご存知でしたか?百年戦争ともいわれた闘いの中で、いくつもの突破口を開いたキーパーソンズをご紹介します。
5月19日(日)
11:00~ 「野外で寄生虫を探す」 研究員 佐田 直也
寄生虫を捕まえないことには、寄生虫研究は始まりません。ここでは、普段我々がどうやって寄生虫を捕まえているか解説したいと思います。
13:30~ 「寄生虫のなまえ」 研究室長 巖城 隆
寄生虫の名前、特に和名について、和名と学名の違いと関係、最近見つかった寄生虫の和名などについてお話しします。
②職員のイチ推し写真集
研究・調査や資料管理など、展示室ではあまり見られない日々の活動について、
職員たちの「イチ推し写真」を通じて紹介します。是非ご覧ください。
期間:5月11日(土)~5月26日(日)
場所:1階展示室 情報コーナー
2024年4月19日
日本貝類学会令和6年度大会に参加しました
日本貝類学会令和6年度大会および日本貝類学会若手の会が、4/12~14に大阪市立自然史博物館で開催されました。私(高野)は「千島および日本海溝の深海・超深海性ナマコ類から得られたハナゴウナ科腹足類」という題で、水深3700~6500 mに生息するナマコに寄生していた貝類の多様性についてポスター発表しました。
4/14には公開講演会が行われ、「貝に寄生する、貝が寄生する」という題で講演しました。この講演はYouTubeで同時配信されましたが、5/31まで視聴することができます。ご興味のある方は是非ご覧ください。【高野】
2024年4月10日
【告知】日本貝類学会公開講演会「貝に寄生する,貝が寄生する」(4月14日)
4/14(日)の13時~14時に、大阪市立自然史博物館で開催される日本貝類学会公開講演会にて、「貝に寄生する、貝が寄生する」という題で講演します。この講演会はYouTubeでライブ配信されるほか、5/31まで見逃し配信される予定です。詳しくは以下をご覧ください。【髙野】
大阪市立自然史博物館HP
日本貝類学会令和6年度大会HP
YouTubeライブのリンクはこちら
2024年4月4日
東京都健康安全研究センターの鈴木 淳先生と村田理恵先生が来館されました
3月31日、東京都健康安全研究センターの鈴木 淳先生(写真の左から3人目)と村田理恵先生(同4人目)が来館されました。お二人とはこれまで、アニサキスに関する共同研究を行ってきましたが、今回はそのまとめと、今後の共同研究について話し合いました。小川名誉館長も同席してたいへん有意義なひとときを過ごしました。 【倉持】
2024年3月17日
第93回日本寄生虫学会大会に参加しました
本大会は去る3月9〜10日、順天堂大学本郷キャンパス(東京都文京区)で開催され、当館から研究員全員と私、倉持が参加しました。大会では、一般演題(口頭発表とポスターセッション)のほか、シンポジウム、特別講演、海外招聘講演などが行われ、どれも大盛況で素晴らしい大会でした。
当館からは、髙野ほかによる「クロナマコを宿主とするハナゴウナ科腹足類2種の寄生部位と系統関係」と、倉持・髙野・佐田ほかによる「テナガダコから得られた大型の未成熟線虫について(続報)」発表しました。
また大会前日の8日には、同じ会場でサテライトミーティング、寄生虫分類形態談話会第92回例会を主催しました。日本獣医生命科学大学の常盤俊大先生によるご講演「珍種からせまるコクシジウム類の多様性」もたいへん好評でした。
【倉持】
当館からは、髙野ほかによる「クロナマコを宿主とするハナゴウナ科腹足類2種の寄生部位と系統関係」と、倉持・髙野・佐田ほかによる「テナガダコから得られた大型の未成熟線虫について(続報)」発表しました。
また大会前日の8日には、同じ会場でサテライトミーティング、寄生虫分類形態談話会第92回例会を主催しました。日本獣医生命科学大学の常盤俊大先生によるご講演「珍種からせまるコクシジウム類の多様性」もたいへん好評でした。
【倉持】
2024年3月16日
国立研究開発法人 水産研究・教育機構(三重県)の新田理人博士が来館されました
3月8日には国立研究開発法人 水産研究・教育機構(三重県)の新田理人博士が午前中に来館され、魚類の単生類標本を観察すると共に、当館からはそれらの標本の貸出を行いました。また、新田さんが研究論文に使われた標本を登録のため受領しました。この日は午後から日本寄生虫学会大会(3月9~10日)のサテライトミーティングがあったため、短時間で集中して標本を観察されていました。 【巖城】
2024年3月15日
北海道大学大学院理学院の北悠樹さんが来館されました
3月7日に北海道大学大学院理学院・博士課程の北悠樹さんが来館されました。3月9~10日に都内で開催された日本寄生虫学会大会のため上京され、それに合わせての訪館です。山口左仲博士標本コレクションから魚類の鉤頭虫標本を観察されたほか、当館の髙野研究員が魚類から採集した鉤頭虫標本も観ていただきました。共同研究のきっかけになれば喜ばしいことです。 【巖城】
2024年3月7日
杉並保健所のシンポジウムで講演
3月2日、東京都の杉並保健所が主催した「食の安全を考えるシンポジウム」にて、「話題の寄生虫ってどんなもの?」という題で講演しました。区民の方を中心に約40名にお集まりいただき、寄生の定義や寄生虫の多様性、生態や感染状況についてお話ししました。食中毒事件数トップのアニサキスのほか、ジビエや魚介類の生食により感染しうる寄生虫を紹介しました。個々の虫の特性を把握し、寄生虫を正しく恐れる一助になれば嬉しく思います。【高野】
2024年3月1日
日本大学の松本淳先生と医動物学研究室の皆さんが来館されました
2月28日に、日本大学 生物資源科学部獣医学科 医動物学研究室 教授の松本 淳先生と専任講師の増田 絢先生ほか、研究室の皆さん12名が来館されました。研究室に滞在中のネパール研修生の研修も兼ねての見学です。展示室を自由に見ていただいた後、地下の標本庫・書庫や、改築したばかりの4階実験室・資料室などをご案内し、当館では展示をしているだけでなく、標本や資料の収集と管理や、研究も日々行っていることをお話しました。学生さんの1人は当館グッズの「シーラカンスの単生虫Tシャツ」を着てくださっていて、嬉しかったです。【巖城】
2024年2月17日
熊本県と宮崎県で調査
2024年1月31日
古代魚シーラカンスの寄生虫 Neodactylodiscus latimeris (Kamegai, 1971)
当館初代館長の亀谷 了先生は、シーラカンスの鰓に寄生する単生類を発見、新種として発表しました。ご覧いただいている図は、新種のホロタイプ*(MPM Coll. No. 16698)の画像とその線画**です。了先生は、この新種がそれまでに発表されていたどの単生類とも大きく異なることから、この新種のために新しい属、新しい科を設け、それは現在でも変わることなく広く認められています。単生類の系統分類を研究した論文には必ず引用されますが、了先生以来、この寄生虫を見つけた人はいないようです。【倉持】
* 新種の発表に使った標本の中から1つだけ指定されるもので、種を代表する世界で唯一の標本
** Kamegai (1971) [Res. Bull. Meguro Parasit. Mus., (5): 1–5.] より転載、各部位名を和訳
* 新種の発表に使った標本の中から1つだけ指定されるもので、種を代表する世界で唯一の標本
** Kamegai (1971) [Res. Bull. Meguro Parasit. Mus., (5): 1–5.] より転載、各部位名を和訳
2024年1月21日
地域交流イベント「キーパーソンに聞く」にゲスト出演しました
去る1月13日土曜日、不動プロボノネットワークが主催するトークイベントにゲスト出演しました。不動プロボノネットワークは、「コミュニティの力をまちづくりに」をスローガンに、下目黒4〜6丁目(不動住区)で活動する団体。今回のイベントは、不動ストーリーブック完成のお披露目と、シェアリングライブラリー開設記念に合わせて実施されました。同団体は、聞き込みや取材を通して不動の歴史を深掘りする活動をしており、元競馬場(下目黒には1933(昭和8)年まで競馬場があった!)を軸に、不動の歴史探訪ができる魅力たっぷりなストーリーブックにまとめあげました。ストーリーブックは当館でもお配りしております。シェアリングライブラリーは、古本の寄付を募ってできた小さな図書館。福祉施設のこぶしえん(下目黒6丁目)のおしゃれなイートインスペースにあります。
私は、地元の方々にもっと当館に親しんでいただこうと、展示のほかに標本・資料の収集、保管、研究といった外からは見えない当館の活動もご紹介しましたところ、早速翌日に来館された方もいらして手応えは十分でした。これからも、地元との連携や協働を大切にしたいと考えております。【倉持】
不動プロボノネットワークのHP:https://www.fudou-probono.net
不動ストーリーブックオンライン版:https://www.fudou-probono.net/fudoustorybook2024/
私は、地元の方々にもっと当館に親しんでいただこうと、展示のほかに標本・資料の収集、保管、研究といった外からは見えない当館の活動もご紹介しましたところ、早速翌日に来館された方もいらして手応えは十分でした。これからも、地元との連携や協働を大切にしたいと考えております。【倉持】
不動プロボノネットワークのHP:https://www.fudou-probono.net
不動ストーリーブックオンライン版:https://www.fudou-probono.net/fudoustorybook2024/
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